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「ただいま」
純「おかえりー」
こちらを見もしないまま空返事をする彼
しばらくその場に立っていると
彼はゲームの画面から顔を上げ、こちらを向く
純「あれ、何も買ってへんの」
「ちょっと、風に当たりたかっただけ」
純「こんな夜寒い中
風に当たりたい奴がどこにおんねん」
はは、と笑う純喜
…なんか、久しぶりに笑った顔見たかも。
目尻がくしゃっとなる、
幸せそうな笑顔
その笑顔が好きなの
「…っ、」
さっき引っ込めて帰ってきたはずだったのに。
笑顔を見たら、
また涙が込み上げてきた
純「え、なに、」
何で泣くん、と
今度は心配そうな顔をしている彼
「純喜…」
純「なに、」
「私のこと、好き…？」
純「何急に…どうしたんほんまに」
「さっき、お母さんみたいって言ってたから…
私もう、彼女として見てもらえてないのかなって
私細かいし、すぐ怒るし、だから…
ごめんなさい、
あと、泣いたのもごめん」
無理矢理涙を拭って、表情を戻そうとしていると
純「…好きやで、ちゃんと
Aは好き？俺のこと
俺もすぐ怒るし、すぐ忘れるし
頼りないかもしれへんけど、それでも好き？」
「うん…、好き」
純「…当たり前になっててん、Aがいるのが」
「うん、」
純「やから、彼女っていうこと、
たしかに忘れかけてたのかもしれへん」
ごめん、
何も考えんで言ったわ、
そう言って、静かに私を抱きしめた純喜
純「当たり前って思うくらい、大事ってことやから
それだけはわかって？」
久しぶりに抱きしめられたな、
…こんなに背高かったっけ、純喜
目を閉じて、彼の体温を感じる
喧嘩もたくさんするけど、
やっぱり私の居場所はここだ、
そう思えた
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作者名：Lynn | 作成日時：2021年11月18日 2時
