仲直り、しようか (ページ27)

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なんかスイーツでも買って帰って来ればよかったなあ、と思いながら

簡単なものを作り、適当に夜ご飯を済ませた

お風呂の用意でもしようかと思っていたその時

ピンポーン、とチャイムが鳴る

…何となく、祥生が来た予感がする

モニターを見ると、予想は的中

髪を無造作にかきながら、

落ち着きのない様子の彼が立っていた

「はい…、」

玄関のドアがガバッと開き、

中に入ってきた祥生に引っ張られ、抱きしめられる

「…苦しいよ、」

祥「ごめん、ほんまにごめんA、

ほんま最低や俺、日付勘違いしとって、」

「…祥生のばか、何で忘れてんのよ

早く会いたかったのに」

強がっていた気持ちが緩み

寂しかった、という素直な気持ちが溢れてくる

祥「あかん泣かんといて、

誕生日に彼女泣かすとかもうほんまに俺…」

祥生も泣きそうな声で話してくるから、

今日まで忘れられていたことも

先輩とご飯行っちゃったことも

なんかもう全部どうでもよくなってきた

「一緒にいてよ、今日くらい」

祥「遅くなってごめん…一緒にいさせて、

誕生日、おめでとうA」

「遅い！(笑)」

祥「ごめん…、」

「じゃあ、明後日も会えるの？」

祥「うん…間違って明後日空けとった」

「夜、仕事終わったら会おう」

祥「もちろんや！もう予約してあんねん店」

得意げに言ってるけど、間違ってるのよ？

祥「あとさっき…急いでケーキ買ってきた」

抱きしめていた腕を緩め、

ケーキ屋さんの袋を見せる彼

「ありがとう、食べよう？」

私が仏のように優しい人でよかったね？

そう喉まで出かかったけど、

純粋に間違えちゃってて

泣きそうな祥生を見て

いつかは今年の誕生日もいい思い出になるかな、と

切り替えてありがたくケーキを一緒に食べることにした

…プレゼント、何をおねだりしようかな。

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