日常を、あなたと (ページ38)

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✳︎✳︎✳︎ Keigo ページ38

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今は、俺が出向して別の会社で働いているから

Aとは別々に働いているけど、

元は、同じ会社に入社した同期だった

配属も同じ部署

土日なんて関係ないくらい忙しかった

俺が怒られた時はAに笑われ、

Aがミスをした時は俺が馬鹿にしてやってた

…まあ、同期の中でもAが一番馬が合ったし、

なんだかんだ切磋琢磨して信頼関係を築いてきたと思う

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新しいプロジェクトの

立ち上げメンバーに呼ばれた俺

一番若手ということもあり、

降りてくる仕事が多いし、その割には意見が通らない

やってもやっても、報われない

この時期が、一番辛かった

このプロジェクトが終わるまでの間、

Aとよく仕事終わりに飲みに行って愚痴っていた

景「俺もさ〜もっと自分で決めてやりたいことあんのに」

「…わかるけどさ、でも正直、同期として私は悔しいよ

私は、立ち上げにすら呼ばれなかったんだよ

…ないものねだりかな」

景「…でも俺は、これ終わったらまたAと仕事したい」

俺のブレイン、と言うと、彼女は笑いながら

「私の頭使おうとしないで」

と肩を叩いてきた

…いつものAだった。

　
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これまでのプロジェクトがひと段落し、

また新しく立ち上がるプロジェクトに、俺とAが呼ばれた

…俺は、リーダーとして。

もっと上に行けるチャンスをもらったからには

頑張りたい

その一心で、

初めてで辛いことも、大変なことも乗り越えてきた

どんな思いで俺についてきてくれたか分からないけど

一番そばで支えになってくれたのは、Aだった

大事な同期がリーダーだからね！と笑う彼女を見て、

この時にはすでに、
ただの同期でいるのは嫌になっていたのかもしれないな

プロジェクトでの成果が評価され、

俺は少しだけ昇進し、関連会社に出向することになった

会社での送別会の後、

二人で飲み直していた時

「景瑚、ほんとにいなくなっちゃうんだね」

景「なに、寂しい？」

「…うん、結構ね」

うっさいなあ、

という返事を期待していた俺は拍子抜けしたけど

いつもと違って素直なAに、

今までの想いが溢れてきて

景「じゃあ、もう付き合おう？俺たち」

もうただの同期でいるの、嫌だ

そう口にしていた

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