日常を、あなたと (ページ35)

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✳︎✳︎ Shion ページ35

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汐「絶対俺のが移ったやろ、」

「そうかも…」

昨日から喉が痛いと思っていたら

翌日の今日にはついに熱が出てしまった

会社には速攻で連絡を入れ、
申し訳ないけど休みにしてもらった

…身体がだるくて何もしたくないし、食べたくない

汐恩は普通に仕事だから、

汐恩が帰ってくるまでの間、

家で一人、留守番をしていなければならない

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やることもなく、

薬を飲んでひたすら寝ていると

ガチャ、と玄関のドアが開いた

あれ、まだお昼なのに…

汐「A、大丈夫か？

食べれそうなもん適当に買ってきた」

「汐恩…、仕事は？」

汐「今昼休み。これから外回りやから、

そのついでに」

コンビニの袋から

おかゆとゼリー、スポーツドリンクを取り出し、

冷えピタを新しいものに変えてくれる汐恩

…忙しいのに、わざわざ寄ってくれたんだ

「汐恩、ごめんね…仕事中なのに」

汐「ええって、それよりちゃんと食べなあかんで？」

いつもは家でぐうたらしてるけど

こういう時はしっかりもののお兄ちゃん感がある彼

頼れる彼氏で本当にありがたい

汐「悪いけど、俺もう行くわ。

帰ってくるまでちゃんと飯食って、寝ててな

絶対無理したらあかんで、ほんでなんかあったら電話して」

私の顔を覗き込み、頭を撫でた後

せわしなく用意をしてまた家を出て行った彼

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汐恩の言うことをちゃんと聞いて

帰ってくるまで寝てばかりいた私

汐「ただいまー、A熱どう？」

夜に汐恩が帰ってきてから熱を測ってみると

まだ少しふわふわするけれど、平熱まで下がっていた

汐「あーよかった、Aが熱出したんも、

ほんまに俺のせいやから。ごめんな？」

こちらを心配そうに見つめる彼。

どうしようもなく抱きしめたくなり、

上半身を起こして、彼の腰に抱きついた

汐「…治ったら、知らんで」

照れてそっぽを向いた彼は

雑に頭を掻き

風呂行ってくる、と部屋を出て行った

素直じゃなくて、照れ屋さんで、

人のための優しさを持つ彼

愛おしくて仕方がない

風邪が治ったら、

また思いっきり甘えるね

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