日常を、あなたと (ページ16)

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✳︎ Takumi ページ16

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朝、お腹の鈍痛で目が覚める

あぁ、最悪だ。来てしまった

そろそろ来るとは思ってたから付けといてよかった…

薬を飲みたいけど、その前に何か食べなきゃ…せめて飲み物だけでも

と思ったけど、動く気力が出ない

結局ベッドから出られなくて、

そのまま体を丸めて痛みに耐える

こんなに痛いの、久しぶりだ…

隣の拓実が起きるまで、私ももう少しこうしていよう…

まだ眠い。

けど痛くて眠れない

この葛藤を30分くらい続けていただろうか

寝返りを打った拓実が

しばらくすると起き上がった

拓「…A、具合悪いん、？」

めっちゃ呼吸浅いけど、と言って私の顔を覗き込んでくる

拓「え、顔真っ青やで、大丈夫？」

「お腹…痛くて、

悪いんだけど、薬とお湯持ってきてもらえない、？」

わかった、とすぐに動いてくれる彼

朝に弱くて、いつも機嫌が悪い拓実だけど、

こういう時にちゃんと頼れるの、本当ありがたい…

拓「はい、早よ飲んで寝とき、あとあったかくせんと。

りんごあったけど、食べる？」

なんか食べなあかんよな、

本当にいつも寝起きが悪いから、

朝っぱらから拓実がこんなに口数多い姿を初めて見た

…俺、りんご剥けるかなあ

独り言を言いながら部屋を出て行った拓実

しばらくすると、

拓「…自分で剥いたくせに笑ってもうたわ」

食べれんことはないやろ！と

半笑いで差し出してきたお皿の上には、

「…ふふっ」

あまりにもいびつな形に剥かれたりんご達

「ありがとう、いただきます」

拓「皮が厚くなりすぎて、

捨てるんもったいないくらいやったわ(笑)

またなんかあったらAの看病できるように、

俺も練習せなあかんな(笑)」

笑うとハート型になるかわいらしい口元

拓実がきらきらの笑顔で話しかけてくれるから

少し痛みが和らいだ気がする

「治ったら、一緒にご飯作ろっか」

拓「おん！まかしとき！

やからA、お腹あっためてちゃんと寝やな」

俺ももっかい寝よ、

そう言って、私を温めるように抱き寄せ、

ぴったりくっついてくる彼

ぴょこ、と頭を上げて

右頬にちゅ、と音を立ててキスをされる

恥ずかしがり屋さんだから愛の言葉は少ないけど

心配と、好き

の気持ちが拓実からたくさん伝わってきた

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