✳︎ Sukai ページ10
.
【ほんまごめん、電車遅れてるわ、あと10分したら着く!】
今日は碧海と映画を観に行く約束で
駅前で待ち合わせをしていた
電車の遅延はしょうがないよね、
大丈夫、気をつけて来てね!と返信をし、
SNSを眺めながら碧海が来るのを待った
.
碧「A!」
呼ばれて振り返ると、
走ってきて肩で息をしている碧海
「全然大丈夫だよ?走ってきたの、」
碧「ほんまにごめん、寒かったやろ?
ああ、も〜手カチンコチンや、
かわいそうに、ごめんなほんまに」
本当に申し訳なさそうに眉を下げ、
私の手を取り温めるようにぎゅっと力を込める彼
碧「ちょっとあったかいとこ行こか」
彼は私の手をダウンのポケットに入れ、
私の好きなカフェに連れて行ってくれた
.
碧「なににする?いつもの甘いの?」
「うん!」
一緒に注文してくれて、さらっとお会計もしてくれた碧海
「碧海、ありがとう」
碧「これ飲んであったまったら行こ!
Aほんまにこれ好きよな(笑)」
犬歯を見せてニカッと笑う彼の笑顔が大好きだ
.
碧「あーやっと観に来れた、
ほんまにずっと観たかってん、付き合ってくれてありがとな」
映画館に向かうエスカレーターで
私の後ろに立つ彼と同じ高さで目線が合う
すごく嬉しそうにこちらを見つめるから、
私も嬉しくなった
.
映画を観ている最中はずっと、
指を絡めてきた碧海
いつもはポーカーフェイスな彼だけど
エンドロールが終わり、照明がついて目が合うと
碧「ふつーに泣いてもうたわ(笑)」
碧海は目に涙を溜めながら笑っていた
碧「Aはどうやった?楽しめた?」
「やっぱ最後のあのシーンでうるっときた、」
碧「よな!?やっぱ最後に持ってかれたなーー」
愛おしいものを見る目で私を見て話す彼
碧「楽しんでくれてよかった」
「うん、楽しかった
ありがと誘ってくれて」
碧「…もう帰る?」
「え、?」
碧「俺はもう少しAと一緒に居りたいと思っててんけど、
…俺の家寄っていかん?」
いつもはクール、だけど
私には甘々の彼
うん、おじゃまするね?
そう言って私から手を繋いで歩き出した
.
559人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lynn | 作成日時:2021年10月24日 1時