4 ページ37
.
「 …うるさいね。部外者達は黙ってて 」
今まで見た事のない、炎を纏った触手。
「 どんな弱点も欠点も磨き上げれば武器になる。そう教えてくれたのは先生だよ。体が熱くて仕方ないなら…もっともっと熱くして全部触手に集まればいい 」
「 …だめだ…それ以上は…‼ 」
「 最っ高の
茅野ちゃんの触手が円を描き、殺せんせーと彼女自身を私たちから遠去ける。
それに、先生は環境の変化が苦手だ。
ずっとこの教室で過ごしてきた分、殺せんせーをどう扱えば良いかが分かっている。
「 全身が敏感になってるの、今ならどんなスキでも見逃さない 」
「 やめろ茅野‼こんなの違う‼僕も学習したんだよ‼自分の身を犠牲にして殺したって…後には何も残らないって‼ 」
「 自分を犠牲にするつもりなんてないよ渚、ただコイツを殺すだけ。
そうと決めたら一直線だから 」
彼女の足が地を蹴ってーーー殺せんせーを攻撃し始める。
殺せんせーは防戦一方、しかも防御しきれていない。
「 茅野ちゃん… 」
拳を握りしめる。
ずっと同じ空間にいたのに、彼女の本当の心が見えていなかった。
これが、彼女の本心なのか。
「 イトナ、テメーから見てどーなんだ。茅野は 」
「 ……俺よりもはるかに強い、今までの誰より殺せんせーを殺れる可能性がある…けど、あの顔を見ろ。わずか十数秒の全開戦闘で…もう精神が触手に侵食され始めてる 」
瞳孔が開き切り、汗が迸った彼女は私たちが知っている彼女ではない。
「 触手の宿主への負担は恐ろしくでかい。肉体強化無しでこの1年を耐えた精神力は物凄いが…それは触手を温存してきたからだろう…あそこまで侵食されたら、もう手遅れだ。復讐を遂げようが遂げまいが、戦いが終わった数分後には死ぬと思う 」
「 ホラ、死んで殺せんせー‼死んで‼死んで‼ 」
茅野ちゃんがやりたかった暗殺は、本当にこんな事なのか。
彼女の声が辺りに響く。
それが……茅野ちゃんの悲鳴に聞こえてならない。
「 …なんとかなんねーのかよ、茅野が侵食されてくのを見るしか…‼ 」
「「「 うおっ‼ 」」」
思わず身体を仰け反らせる。
目の前に突然殺せんせーの顔が現れた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 666人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - 雪花さん» そうなんです！お互いが意識せずに言っててくれたらなぁなんて考えながら書いてました笑 これからも頑張ります！ (2019年6月5日 23時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 月が綺麗だね、というのは夏目漱石でしょうか？漸く夢主ちゃんが自分の感情に気付いてくれてとても嬉しいです(*^^*)いつも楽しく読ませていただいてます！更新頑張ってください！ (2019年6月5日 15時) (レス) id: 61884d00c4 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - えみさん» 初めまして！とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なるべく沢山更新できるよう頑張ります！ (2019年6月4日 16時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて好きです！！続きが楽しみです＾＾無理のない範囲で更新がんばってください！ (2019年6月3日 19時) (レス) id: 5b761d589a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 宵の桜吹雪さん» ありがとうございます！ゆっくりになってしまい申し訳ないです、頑張ります！ (2019年5月5日 10時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏 | 作成日時：2019年3月24日 22時
