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午後7時。
椚ヶ丘公園の奥にあるすすき野原に私たちはいた。
「 来たね。じゃ、終わらそ‼ 」
「 茅野さん、その触手はこれ以上使うのは危険すぎます。今すぐ抜いて治療をしないと命に関わる 」
「 え、何が？すこぶる快調だよ、ハッタリで動揺を狙うのやめてくれる？ 」
ハッタリなんかじゃない。
シロの監視下に置かれていたイトナくんの時でさえ、メンテナンスを止めてしまうとあれだけ苦しみ死が迫っていたのだ。
1年近くメンテナンスを行っていない彼女が触手を使った末路は…容易に想像できる。
「 …茅野、全部演技だったの？楽しいこと色々したのも、苦しいこと皆で乗り越えたのも 」
「 演技だよ、これでも私役者でさ。渚が鷹岡先生にやられてる時、焦れったくて参戦してやりたくなった。不良に攫われたり死神に蹴られた時なんかは…ムカついて殺したくなったよ。
でも耐えてひ弱な女子を演じたよ。殺る前に正体バレたら…お姉ちゃんの仇が討てないからね 」
彼女の姉、雪村あぐり先生。
短い期間だったけれど、彼女とは何度も言葉を交わした。
「 この怪物に殺されてさぞ無念だったろうな。教師の仕事が大好きだった。皆のこともちょっと聞いてたよ 」
「 …知ってるよ茅野。2年の3月…2週間ぽっちの付き合いだったけど熱心で凄くいい先生だった 」
「 そんな雪村先生を殺せんせーはいきなり殺すかな？そういう酷いこと…俺らの前で一度もやったことないじゃん 」
服のセンスが絶妙にダサくて、明るくて笑顔が素敵な先生だった。
停学明けに彼女がいないと聞かされ、疑問にずっと思っていた。
「 停学中の俺ん家まで訪ねるような先生だったよ…けどさ、ほんとにこれで良いの？今茅野ちゃんがやってる事が…殺し屋として最適解だとは俺には思えない 」
「 私の家にも来たよ。裏表がなくて、最初突っ撥ねていた私もいつの間にか先生と話すのが楽しみになった。そんな人だってこと、殺せんせーも分かってたはず 」
茅野ちゃんの心に、少しでも私たちの声が届け。
触手を使って殺せんせーを殺すのではなく、私たちと一緒に今までのようにその命を狙っていけたら。
「 身体が熱くて首元だけ寒いはずだ。触手の移植者特有の代謝異常だ。その状態で戦うのは本気でヤバい。熱と激痛でコントロールを失い、触手に生命力を吸い取られ、死ーーー 」
イトナくんの言葉が終わらぬうちに、茅野ちゃんの触手から炎が上がった。
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奏(プロフ) - 雪花さん» そうなんです！お互いが意識せずに言っててくれたらなぁなんて考えながら書いてました笑 これからも頑張ります！ (2019年6月5日 23時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 月が綺麗だね、というのは夏目漱石でしょうか？漸く夢主ちゃんが自分の感情に気付いてくれてとても嬉しいです(*^^*)いつも楽しく読ませていただいてます！更新頑張ってください！ (2019年6月5日 15時) (レス) id: 61884d00c4 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - えみさん» 初めまして！とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なるべく沢山更新できるよう頑張ります！ (2019年6月4日 16時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて好きです！！続きが楽しみです＾＾無理のない範囲で更新がんばってください！ (2019年6月3日 19時) (レス) id: 5b761d589a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 宵の桜吹雪さん» ありがとうございます！ゆっくりになってしまい申し訳ないです、頑張ります！ (2019年5月5日 10時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年3月24日 22時
