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思いがけない浅野くんの言葉に首を傾げる。
「 浅野くんが私なんかに羨ましいなんて思うことがあるんだ 」
「 僕も理解して驚いた 」
「 そこは認めなくて良いけど…でも羨ましい、って何に対して？ 」
「 ……あの時君は、僕の問いに対して迷いなく答えただろう 」
あの時のことを思い返す。
そう、確かに私は即答した。
「 僕は君が返答に困ると思った。信頼しているというならまだしも、信頼してくれてるなんて他者の気持ちの問題だ。普通断言なんて出来ない。それなのに…君は何の迷いもなく答えた。あの時誰を想像していた？ 」
「 誰って…カルマくんだけど 」
「 赤羽か 」
なるほどな、と呟くとなぜか溜息を吐く。
「 なにその溜息 」
「 納得しただけだ。君たち2人の関係は変わっているからな 」
変わっている、確かにそうかもしれない。
けれどそれを理由に納得するのは如何なものか。
「 …ただ 」
「 ん？ 」
「 変わっていようが何であろうが、君は僕の目を真っ直ぐ見て言い切った。あの時も、そして今も…確かに僕は君の言う通り周りの奴等を見下していた。だから胸を張って友達と言える奴がいるのか、自分でも分からない 」
いつも自信満々の浅野くんの瞳が揺れている。
まさか半ば怒りに任せて口にした言葉を浅野くんが今も覚えているとは思ってもいなかった。
今の浅野くんは年相応の中学生に見える。
でもきっと、友達なんて作ろうと思って作るものではなくて。
「 …じゃあ私は浅野くんの友達1号かな〜 」
「 …は？ 」
「 なにその嫌そうな顔 」
眉根を寄せる浅野くんに思わず呟く。
「 僕と、君が？ 」
「 信じられないみたいな顔してるけど、浅野くんは私のことが嫌いなの？ 」
「 ……心底、というわけでは 」
「 私もだよ。友達の形なんてさ決まったものはないわけで、私達みたいな関係も嫌い合っていないなら友達って呼べると思うよ。相手がどう思ってるかとかじゃなくて友達だと思ったら友達、それで良いじゃん 」
私からすればカルマくんも、莉桜も、E組の皆も、そして浅野くんも。
関係性は違えど、れっきとした友達だ。
「 …君はやっぱり変わっているな 」
「 せっかく人が励ましたのに 」
「 でも…そういう所が君の良いところなのかもしれないな 」
浅野くんが、フッと笑みを漏らす。
それはいつもの貼り付けたものじゃなくて、恐らく本心からきた笑顔だった。
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奏(プロフ) - 雪花さん» そうなんです！お互いが意識せずに言っててくれたらなぁなんて考えながら書いてました笑 これからも頑張ります！ (2019年6月5日 23時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 月が綺麗だね、というのは夏目漱石でしょうか？漸く夢主ちゃんが自分の感情に気付いてくれてとても嬉しいです(*^^*)いつも楽しく読ませていただいてます！更新頑張ってください！ (2019年6月5日 15時) (レス) id: 61884d00c4 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - えみさん» 初めまして！とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なるべく沢山更新できるよう頑張ります！ (2019年6月4日 16時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて好きです！！続きが楽しみです＾＾無理のない範囲で更新がんばってください！ (2019年6月3日 19時) (レス) id: 5b761d589a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 宵の桜吹雪さん» ありがとうございます！ゆっくりになってしまい申し訳ないです、頑張ります！ (2019年5月5日 10時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年3月24日 22時
