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「 今のA組はまるで地獄だ。E組への憎悪を唯一の支えに限界を超えて勉強させる。もしあれで勝ったなら…彼らはこの先その方法しか信じなくなる。敵を憎み、蔑み、陥れる事で手にする強さは限界がある。君達程度の敵にすら手こずるほどだ 」
たぶん彼が思い返しているのは、体育祭の時のことだろう。
「
そう言うなり、浅野くんは私たちに頭を下げた。
依頼にも関わらず傲慢な態度を隠さないのは、それが本心だと私たちに伝えるためだ。
プライドの塊である浅野くんが、いつも見下しているはずの私たちに頭を下げている。
…本気で他人のことを気遣っている。
「 え、他人のことを心配してる場合？1位取るの君じゃなくて俺なんだけど 」
浅野くんの額に青筋が浮かんだ。
どうしてこの人はこうも台無しにするのか。
「 言ったじゃん、次はE組全員容赦しないって。1位は俺でその下もE組。浅野クンは10番あたりが良いとこだね 」
「 浅野、今までだって本気で勝ちに行ってたし今回だって勝ちに行く。勝ったら嬉しく負けたら悔しい。そんでその後の格付けとか無し。もうそろそろそれでいいじゃん 」
磯貝くんが私たちの先頭に立って笑う。
「 『こいつらと戦えて良かった』…って、お前らが感じてくれるよう頑張るからさ 」
「 余計なこと考えてないでさ、殺す気で来なよ。それが1番楽しいよ 」
「 ……面白い、ならば僕も本気でやらせてもらう 」
カルマくんの言葉にニヤリと笑うと、浅野くんは背を向けて歩き出した。
今の彼に、私は話したいことがある。
皆の横をすり抜けて彼の背中を追う。
今日は私を追いかける声は聞こえなかった。
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「 …良いの？カルマくん 」
浅野くんを追いかけて行ったAちゃんの背中を無言で見送るカルマくんに恐る恐る声を掛ける。
彼は僕に視線を向けず、頭をくしゃりと掻くと溜息を吐いた。
「 …なーんか、今の浅野クンにはAとの時間が必要な気がするんだよね 」
癪だけど、と呟いたカルマくんはAちゃんの考えていることがたぶんわかっているのだと思う。
だからこそ引き留めることはしなかったのだろう。
もう一度溜息を吐くと、カルマくんは僕らに帰ろうと促した。
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奏(プロフ) - 雪花さん» そうなんです！お互いが意識せずに言っててくれたらなぁなんて考えながら書いてました笑 これからも頑張ります！ (2019年6月5日 23時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花(プロフ) - 月が綺麗だね、というのは夏目漱石でしょうか？漸く夢主ちゃんが自分の感情に気付いてくれてとても嬉しいです(*^^*)いつも楽しく読ませていただいてます！更新頑張ってください！ (2019年6月5日 15時) (レス) id: 61884d00c4 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - えみさん» 初めまして！とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なるべく沢山更新できるよう頑張ります！ (2019年6月4日 16時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて好きです！！続きが楽しみです＾＾無理のない範囲で更新がんばってください！ (2019年6月3日 19時) (レス) id: 5b761d589a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 宵の桜吹雪さん» ありがとうございます！ゆっくりになってしまい申し訳ないです、頑張ります！ (2019年5月5日 10時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年3月24日 22時
