【暗殺教室】共依存 season2 (ページ10)

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「やー惜しかった！」

球技大会当日。
女子のエキシビションを終えて男子の方へ見に行く途中。

「勝てるチャンス何度かあったよね、次リベンジ！」
「ごめんなさい、私が足引っ張っちゃった」
「そんなことないって茅野さん」
「女バスキャプテンのぶるんぶるん揺れる胸元見たら、怒りと殺意で目の前が真っ赤に染まって」
「茅野っちのその巨乳に対する憎悪はなんなの⁉ 」

茅野ちゃんの言葉に苦笑していると肩にぐいっと重さがかかる。
横を見れば中村さんが肩を組んでいて。

「やっぱあんた運動神経良いよね」
「んーまぁ不得意ではないかな」
「いや普通に上手かったよ、何回かゴール決めてくれたし」
「ね、かっこよかった！」

前方にいた片岡さんや倉橋さんも振り返ってそう言って来る。
運動は嫌いではない、元々それなりにこなすことが出来たし今回は皆と練習もしたし。
直接こうやって褒められるのは久しぶりで少し照れてしまう。
ちょうど野球グラウンドに着いたため照れ隠しに得点板に目を向けると

「え、勝ってる」
「え、ってなに。負けてると思ったの？」

ベンチに座ってゲーム機を持っているカルマくんが顔を上げてこちらを向く。

「 …思ってた」
「正直だねぇ。ま、でもここからはわかんないよ。ラスボスが一回表にして登場してきたから」

ラスボス。
その言葉に相手の方を見ると、あぁ確かにラスボスだ。
理事長がいつものオーラを発しながら歩いている。
大方この状況を見て野球部の顧問を追い出し自分が出てきたのだろう。

「殺せんせーは？」
「あっち」

カルマくんが指差す方向を見れば、芝生から顔を出してる殺せんせー。
遠近法でボールのように見えるけど、その顔には少し焦りが見える。

『いくつか指示を出して理事長先生が下がりました‼さぁここからどのように…こっこれは何だーーー⁉ 』

極端な前進守備。
どうやらE組はバントで攻めていたようだけれどあの理事長はそれを見逃さなかった。
前原くんがボールを真上に打ち上げワンナウト。
続く岡島くんが殺せんせーに指示を求めるも顔を覆っている。
あっという間に3アウトになってしまった。

「まぁさすがってとこだね」
「そうだね。理事長と殺せんせーの対決はここでもか」
「殺せんせーはどうやら打つ手がなさそうだけどね～」

これは野球部対E組の対決というより、対極にいる教育者の対決だ。

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