【暗殺教室】共依存 season2 (ページ9)

今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:295,796 hit

2 ページ9

.

「クラス対抗球技大会…ですか。健康な心身をスポーツで養う、大いに結構！
…ただ、トーナメント表にE組が無いのはどうしてです？」

殺せんせーが配られた用紙を指差しそう言う。
梅雨明け恒例の球技大会。
ここでもE組の待遇は変わらずなようで。

「 E組は本戦にエントリーされないんだ。1チーム余るって素敵な理由で」
「その代わり…大会のシメのエキシビションに出なきゃなんない」
「エキシビション？」

いつものあれだ。
見世物かつ戒め。
女子男子それぞれ本業の運動部と対決させられその様子を本校舎の人間が見るというなんとも悪趣味なルール。
私も1年2年と見てきたが、勝てる兆しも無くボロボロにされ笑われるという嫌な空間が出来上がっていたものだ。

「なるほど、いつものやつですか」
「そ。でも心配しないで殺せんせー。暗殺で基礎体力はついてるし。良い試合して全校生徒を盛り下げるよ、ねー皆」

片岡さんは抜群のリーダーシップがある。
しかもそのリーチを生かし運動能力も高い。
彼女なら女子を纏めて良い方向に導いてくれそうな気がする。
だが、男子の方は杉野くんが思うところがあるようで。
彼曰く、椚ヶ丘の野球部は強く、中でもやはりあの進藤くんは手強いらしい。
でも、

「だけど勝ちたいんだ殺せんせー。善戦じゃなくて勝ちたい。好きな野球で負けたくない。野球部追い出されてE組に来て…寧ろその思いが強くなった…E組とチーム組んで勝ちたい‼ 」

杉野くんのその気持ちはわかるかもしれない。
それにあのときの野球部、特に進藤くんの態度は気に食わなくて。
目に物見せてやってほしい…なんて外野で言うのは簡単だけれど。

「 …まぁでも、やっぱ無理かな殺せんせー」

そう言った杉野くんに対して…殺せんせーはなんだかやる気満々だ。
ユニフォームとか着て手にグローブやボール、メガホン…どれだけ準備万端なんだ。

「先生一度スポ根モノの熱血コーチをやりたかったんです。殴ったりはできないのでちゃぶ台返しで代用します」
「「「用意良すぎんだろ‼ 」」」

あまりの張り切り具合に苦笑しつつ隣を見ればカルマくんは面白そうに口角を上げていて。
…そういえば彼は試合に出るのだろうか。
去年とかはサボっていた気がするし、出るなら貴重だけど。

「殺監督が勝てる作戦とトレーニングを授けましょう‼ 」

なんだかこれは、色々と楽しみだ。

.