【暗殺教室】共依存 season2 (ページ43)

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いつもと少し違う、E組が前を向いていられる終業式も終わり、教室に帰ってきた私たちを待っていたのは殺せんせーと、

「ひとり一冊です」

修学旅行並み、いやそれ以上の分厚いというより長いしおり。
果たしてこの中で何ページに目を通すのかと思いながら受け取れば、予想以上に重たいそれに一瞬ふらついてしまった。
後ろにいたカルマくんが支えてくれたけれども。
…どうやって持って帰るんだこれ。

「さて。これより夏休みに入るわけですが、みなさんにはメインイベントがありますねぇ」
「あぁ、賭けで奪ったコレ(・・)のことね」

中村さんが掲げるのは、椚ヶ丘中学校のパンフレット。
私たちの目当てはその中に書いてある。

「本来は成績優秀クラス、つまりA組に与えられるはずだった特典ですが、今回の期末はトップ50のほとんどをA組とE組で独占している。君達にだって貰う資格は充分あります」
「ーーー椚ヶ丘中学校特別夏期講習‼沖縄離島リゾート2泊3日‼ 」

そう、E組がA組から勝ち取った戦利品は夏期講習のチケットだ。
自腹を切らずに沖縄に行けるのだから、これほどのご褒美はそうそう無い。

「君達の希望だと、触手を破壊する権利は教室(ここ)では使わず、この離島の合宿中に行使するということでしたね。
触手7本の大ハンデでも満足せず、四方を先生の苦手な水で囲まれたこの島も使い万全に貪欲に命を狙う。
正直に認めましょう。君達は侮れない生徒になった」

殺せんせーのその言葉は私たちの表情を明るくさせる。
だってそれは、この教室において最大限の褒め言葉だ。

「親御さんに見せる通知表は先ほど渡しました。これは標的(せんせい)から暗殺者(あなたたち)への通知表です」

そう言って撒き散らしたのは、二重丸の書かれた紙。
教室中に、殺せんせーからの嬉しい評価が溢れる。

「 1学期で培った基礎を存分に生かし、夏休みも沢山遊び沢山学び、そして沢山殺しましょう‼ 」

鞄を手に取り、皆で教室を出る。
この教室とは少しの期間離れるけれど、きっと夏休み中も殺せんせーは私たちの前に現れ、殺されるのを楽しみにするのだろう。
今からでも想像がつく未来に頬が緩む。

殺せんせーは校舎の上に登って、私たち見送りながら高々と宣言した。

「暗殺教室、基礎の1学期ーーーこれにて終業‼ 」

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