【暗殺教室】共依存 season2 (ページ5)

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初めて見た、殺せんせーの怒った表情。
いつもは黄色い顔を真っ黒にして、正直言ってこれは怖い。

「君に言う義理はないね殺せんせー。だがこれで納得したろう。両親も違う、育ちも違う、だが…この子と君は兄弟だ」

シロは平然とそう言う。
そういうことか。
例え血の繋がりが無くても、あの触手があるから。
ここに来て、殺せんせーとイトナくんの最大の共通点が見つかった。

「しかし怖い顔をするねぇ。何か…嫌なことでも思い出したかい？」
「 …どうやらあなたにも話を聞かなきゃいけないようだ」
「聞けないよ、死ぬからね」

彼が手を挙げると、その袖から強烈な光が殺せんせーを直射する。

「 ⁉ 」
「この圧力光線を至近距離で照射すると、君の細胞はダイラタント挙動を起こし一瞬全身が硬直する。全部知っているんだよ、君の弱点は全部ね」

シロはまるで何もかも知っているような口ぶりをする。
けれど確かに、私たちが知らない情報をシロは知っていて。

「死ね、兄さん」

イトナくんの無感情な声がした。
その瞬間、彼の触手が殺せんせーを貫く。
追い討ちをかけるように、何度も何度も。

「うっ…うおおっ… 」
「殺ったか⁉ 」
「 …いや」

上だ。
天井に張り付き苦しそうに息をする殺せんせー。
傷も所々ついているし、私たちはあんなに追い詰められたところを見たことがない。

「脱皮か…そういえばそんな手もあったっけか。でもね殺せんせー、その脱皮にも弱点があるのを知っているよ」

脱皮は体力を消耗しスピードを低下させる。
また、手足の再生も同様に。
そして触手の扱いは精神状態にも左右される。

シロはポンポンと私たちが知らない情報を容易く出してくる。
そして私たちに考えさせる。
今はどちらが優勢か、と。

そんなの、決まっている。

「お、おい…これマジで殺っちゃうんじゃないの」

殺せんせーはダメージを負いすぎている。
それに比べてイトナくんは無傷。
加えてシロのサポートもある。
次には、殺せんせーの足が斬り落とされた。

「フッフッフッ、これで脚も再生しなくてはならないね。なお一層体力が落ちて殺りやすくなる」
「 …安心した。兄さん、俺はお前より強い」

殺せんせーが追い詰められている。
ここで殺れば、地球は救われるのだ。
…でも、先生を殺るのは

「殺れ、イトナ」

ーーーE組(私たち)が、良かった。

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