【暗殺教室】共依存 season2 (ページ37)

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そんな初対面とは思えない会話を交わしてから、彼の存在が薄っすらとしてきた頃。
最寄り駅でバッタリと会いそれからなぜか彼に絡まれることが度々ある。
浅野くんなら私みたいなの嫌いそうだし不思議だなって思ってたけど、まさかE組に落ちてからもこんな風に来るとは。
いやはや、人の頭の中はわからないものだ。

「でもさぁ、A組が勝つなんて保証はないよ」

彼の先程の言動から幾分か間を置いてそう呟く。
すると浅野くんは片眉を上げてまた馬鹿にしたような表情になる。

「へぇ？どういう風の吹き回しだい？」
「どういうもなにも、私たちちゃんと勉強してトップ狙ってるから」

殺せんせーの熱心な指導のおかげで、というのは心の中に留めておく。
国家機密の存在を易々と口に出すわけにはいかない。
私の言葉を聞いた浅野くんはますます笑みを深くする。

「まあ確かに各分野だけなら狙える可能性があるやつはいるかもしれないな」
「でしょ？」
「でもA組をナメてもらっては困る。勝つなんて戯言はやめておけ」
「んー、でもA組も五英傑さん以外は役に立たないんじゃない？」

ほら私この前五英傑さん以外には勝っちゃったし、と付け加えれば浅野くんの顔は不本意そうに歪んだ。
でも事実だ。

「 E組をナメてもらっては困るなぁ」

先ほど浅野くんが言っていた言い回しでそう口にすれば、鋭い視線がこちらを向いた。
自分が言ったくせに、そう思いつつ肩を竦める。

「 …そういえばE組は何か隠してないか」

先ほどとは少し違った鋭い視線が向く。
彼の言葉に私は少しドキリとして。

「 …どういうこと？」
「僕たち本校舎の人間に知られたくないことがあるんじゃないか？」

さすがは理事長の息子といったところか。
勘が鋭くて困る。
彼のいう隠し事とは、きっと殺せんせーのことだろう。
頭が良すぎるのも厄介だ。

「そんなわけないでしょう。生徒会長様に隠し事なんてするわけないじゃないですか」

戯けてそう口にすれば浅野くんの眉間に皺が寄る。
けれど私がこういう態度に出れば明確な答えを出さないのを彼は知っている。

「 …まあいいさ。テストが終わればその秘密も僕が握ることになる」
「それは楽しみなことで」

ちょうど帰路の分かれ道に来たところだったため、精々頑張ってくださいなんて口にして彼に背を向ける。
後ろで何か言っていたけれど無視無視。
まったく、彼といると疲れる。

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