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殺せんせーの目標設定は明確で、私たちにとっても狙いやすい。
総合順位は別として、各科目の優秀者はE組にもたくさんいるわけで。
皆がやる気を出して頑張れば、もしかすると6本以上の触手を獲得できるかもしれないのだ。
渚くんや杉野くんたちと机を囲む中で隣のカルマくんに目を向ける。
「 期末テスト楽しみだね、カルマくん 」
「 んー、そうかもね 」
なんだかあまり気乗りしていなさそうなあやふやな返事に首を傾げる。
しかし彼はそれ以上話さなそうだったため、詮索せずに手元の参考書に目を向けると電子音が鳴った。
「 あ、俺だ 」
杉野くんがズボンのポケットを探り、携帯を取り出し耳に当てる。
「 おう、進藤かーーーはは、相変わらずの上から目線で 」
電話の相手はあの進藤くんらしい。
一瞬杉野くんの額に青筋が浮かぶも、彼の表情は真面目に切り替わって。
携帯を少し操作したかと思えば、進藤くんの声が聞こえてきた。
『 ーーー俺たち3年のクラスの序列は、最下層にお前らE組、横並びのB・C・D組、そして頂点は成績優秀者を選りすぐった特進クラスのA組がある。
そのA組が全員集結して自主勉強会を開いてるんだ。こんなの初めて見る 』
自主勉強会。
なぜか、といえばなんとなく想像はつくけれど。
『 音頭を取る中心メンバーは"5英傑"と言われる椚ヶ丘が誇る天才達だ 』
それなら、もう既に知っている。
荒木鉄平、榊原蓮、小山夏彦、瀬尾智也。
社会、国語、理科、英語、それぞれのエキスパート。
そして、彼らのさらに上に立ち、取り纏めるのは
『 中間テスト1位、全国模試1位。支配者の遺伝子、生徒会長浅野学秀。あの理事長のひとり息子だ 』
浅野学秀。
合理性でしか動かないあの理事長に奥さんがよく出来たなんて、彼の顔を見る度に思うんだけれど。
その面倒な遺伝子はちゃんと受け継がれていて。
なぜ知っているかといえば、浅野くんとは以前色々あった。
そのまま電話の声に耳を傾けていれば、どうやら彼らが本気を出してE組を潰しにかかっているらしい。
それに対して杉野くんは少し笑顔を浮かべて。
「 見ててくれ、頑張るから 」
『 ……勝手にしろ、E組の頑張りなんて知ったことか 』
口調は荒い、けれどその言葉には温もりがこもっている。
なんだか進藤くんも変わったんだな。
そんなことを思いながら杉野くんが嬉しそうに電話を切るのを見ていた。
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まっころりん(プロフ) - ありがとう (2019年12月20日 17時) (レス) id: 43501add82 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 瑠樹さん» なんて嬉しいお言葉、ありがとうございます!頑張ります! (2018年12月10日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠樹(プロフ) - 貴方様の書かれるキャラがとても大好きです!更新待ってます! (2018年12月10日 17時) (レス) id: b4a79118b8 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 亜純さん» 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2018年11月27日 20時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - 最高です! 更新頑張って下さい!! (2018年11月27日 3時) (レス) id: 430739def7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏 | 作成日時:2018年11月2日 10時