【暗殺教室】共依存 season2 (ページ20)

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安心したのか落ち着いたのか、また瞼を閉じたAを見て、小さく溜息をつく。

( 心配したって…当たり前じゃん )

どうやらAを運んでくれたらしい磯貝から連絡が来たときは驚いた。
彼奴に嫌な感じはしていたけれど、まさかそこまでするなんて。
慌ててサボり場所から保健室へ走り、到着した時には同じく怪我を負わされたらしい前原や神崎さんもいた、そしてそれを手当てするビッチ先生も。

一連の話をその時聞いた。
鷹岡の暴走や、Aの反発……そして渚くんのこと。
驚いたけど、Aのことに関してはそうだろな、なんて思ってる自分もいて。
側に座れば頬は赤く腫れ、唇も切れている。
どうやらお腹に2発食らったことがトドメだったようで見てなんかいないけど、痣が出来ているんだろう。
砂埃でいつもより少し通りの悪い髪を撫でながら、俺たち以外誰もいなくなった保健室で彼女の目覚めをひたすら待っていた。

そして起きたと思えばクラスの心配をして、俺の話を聞けば安心したように笑う。
おまけに心配したか、だなんて。

「世話がやけるよ、ほんと」

目を離せばこれなんだから。
他人思いで自分の身なんて顧みないで動いてしまう。
それは良くもあり悪くもある。
彼女は自分の力というのをあまり理解していない。
普段は頭がきれるのに、1度怒ったら周りが見えなくなってしまって無鉄砲に突っ込んでいく。
例え相手が誰であっても。
今回の件だって良い例だ。
それで救われた人がいるとはいえ、自分の身のことも少しは考えて欲しい。

一方でそんな彼女のことをわかっててしつこく鷹岡から離そうとしなかった俺も悪いのかもしれない。

「 …俺はAのことになったら、後悔してばっかりだなぁ」

守れなかったと後悔して、何度目か。
普段は自分の行動を振り返って後悔なんて殆どしないけれど彼女のこととなると別だ。
どうしても放っておけない。
どうしても心配になる。
どうしても守ってやりたい。
そんな想いがきちんと結果となるのはいつになることやら。

「俺がこんなんじゃダメだね」

頭を撫でていた手を、無防備に投げ出された彼女の小さな手に移動させる。
この小さな手で、どれだけ人を守ろうとしてきたのか。
Aはこれからもきっと他人を救うことを選ぶのだろう。
それなら俺は、そんな彼女を守れるように。

彼女の手を握る。
すると微かに握り返してきて、思わず頬を緩めたのだった。

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