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久しぶり、と平気な顔して笑う彼がとてつもなく憎たらしい。
それでつい手が出てしまった。


先ほどまでクラスのみんなと同じように呆けた顔していた彼の表情はどんどん険しくなっていく。



「 …は、なに?久々に会った挨拶がそれかよ 」



きっと普通の女の子だったら縮み上がるんだろうな、ってくらいのキツい睨み。
苛々しているのだろう、脚は小刻みに揺れている。


だが、私には効かないし通用もしない。
なんてったって彼とはもう親しい間柄だ。
鋭い目付きに負けじとこちらも睨み返す。
すると彼の眉が吊り上がった。



「 だからなんだって−−− 」
「 ストーップ!! 」



遂に痺れを切らして立ち上がった彼と椅子の真横に立っていた私の肩を黄色い触手が押す。
ドサリと2人とも椅子に着席させられた。



「 久しぶりの再会を喜ぶのは結構ですが此処が教室だということを忘れないでくださいね。先生、空気のように扱われて悲しいです 」



私たちの肩を押したのとは別の触手を目のあたりに当て泣き真似をする。
ふざけた様子に少しイラっとすると、それと同時に殺せんせー越しに彼が立ち上がり扉に向かうのが見えた。



「 あ、ちょっ、カルマくん!!まだ授業中… 」



バタン、と凄い勢いで扉が閉められた。
言葉を遮られた殺せんせーは私の足元でシクシク泣いている、正直鬱陶しい。



「 せっかく心開いてくれてたのに… 」
「 殺せんせー、ちょっと邪魔だから… 」



どけて、と続ける前にまた肩に触手が伸びて来て、今度は私を立たせる。
不思議に思いその顔を見上げると、真ん丸で小さい目がこちらを見つめていた。



「 こうなったのも渡辺さんに責任があります。なのでカルマくんを連れ戻して来てください 」



先生からの命令です。
指があったのかと思いながらピンと立った触手を見つめる。
ていうか、授業中なんじゃなかったっけ。




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(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます! (2018年11月2日 11時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです! (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます!夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです!頑張ります! (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます!とっても面白いです!夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです!これからも更新頑張って下さい! (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ!頑張ります、ありがとうございます! (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月14日 22時

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