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ギィと嫌な音を立てて扉が開く。
寸前まで近付いていた顔がその音に反応して離れたため小さく息をついた。
でもこれで仲間なんてきたらもっと窮地に追い込まれることになる。
固唾を飲んでその方向に視線を向ける。
「 お、きたきた。うちの撮影スタッフがご到着だぜ 」
男がそう言ったとき、たぶん私の目に光が戻った。
あのシルエットは見間違わない。
彼が、彼らがそこにいた。
「 修学旅行のしおり1243ページ。班員が何者かに拉致られた時の対処法。犯人の手がかりがない場合、まず会話の内容や訛りなどから地元の者かそうでないかを判断しましょう。地元民ではなく更に学生服を着ていた場合、1244ページ。
考えられるのは相手も修学旅行生で旅先でオイタをする輩です 」
どうやら彼らは殺せんせーお手製のあの辞書みたいなしおりのおかけでここまで来てくれたらしく。
意外と役に立ってくれたあのしおりには感謝しかない。
安堵の息をついているとカルマくんがこちらを見る。
私の状況を認めた彼は一瞬顔を歪めた。
「 …で、どーすんの？お兄さん等。こんだけのことしてくれたんだ、あんた等の修学旅行はこの後全部入院だよ 」
とりあえずその子の上から退いてくんない？といつもより低い声で唸る彼。
男がその言葉を余裕なふりをして鼻で笑ったとき、また外から音がしてみんなの意識がそちらに向く。
そして次に入ってきたのは、元不良たちと殺せんせーだった。
そこからは早かった。
余裕など無くなった男は私から退いて仲間と殺せんせーに歯向かったけれど勝てるはずもなく。
最終的にはあの鈍器(しおり)で殴られて倒れた。
…やっぱりあれ人に打撃加えれたな。
「 A‼ 」
そんなことを考えていれば名前を呼ばれる。
視線を向ければカルマくんが走り寄ってきてくれて。
「 カルマくん 」
名前を呼べば彼は私の前に膝をつく。
そして腕を縛っていた縄を解き彼が着ていたカーディガンが私の肩に掛けられたと思えばそのまま抱き寄せられた。
「 …怖い思いさせて、ごめん…ッ 」
久々に聞いたカルマくんの切実な声。
耳元で吐かれた言葉が私の感情を堰き止めていた物を崩したのか、恐怖や嫌悪、不安が一気に押し寄せてきて肩が震えてしまう。
泣くものかと思い下唇を噛んでも昂った感情は抑えきれず彼の肩に顔を埋める。
そんな私の背中を撫でるカルマくんの手は、いつもより優しかった。
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奏(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます！ (2018年11月2日 11時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます！とっても面白いです！夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ！頑張ります、ありがとうございます！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年9月14日 22時
