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「 盗み聞きなんてカルマくんも趣味が悪いな 」
「 好きで聞いてたわけじゃないよ 」
迎えに来たのになんか入りづらかったし。
そう心の中で付け加えて自席に座る。
机に伏せたまま顔だけこちらに向けて俺の動作を見ていたAは小さく欠伸をした。
「 眠いの？ 」
「 んー、まあねぇ 」
カルマくんは眠くないの、と聞いてくるAが先程殺せんせーに話してた話は俺が知らない出来事だった。
渚くんも何も言わなかったし。
まぁAなら口止めしてそうだけど。
柔らかそうな、いや実際柔らかい栗色の髪がAの動きに合わせてゆらゆら揺れる。
手を伸ばしてその頭に触れれば普段は大きな猫目が細められた。
午後の温かな陽が差し込む中、微睡む姿は猫みたいだ。
そういえば、こんな光景を見るのは久々かもしれない。
「 A 」
「 んー？ 」
「 俺のためにごめんね 」
そう呟くと細めていた目が驚いたように大きくなる。
ほんと猫みたいだなと思っていると、唇が緩く弧を描いた。
「 珍しくカルマくんが素直だ 」
「 別に珍しくはないでしょ 」
「 いつもひねくれてるもん 」
「 Aには素直だよ 」
「 嘘だぁ 」
クスクスという笑い声は柔らかく教室に響く。
彼女が俺のために停学などになったのは申し訳ない気もするけど、でも同じくらいに嬉しく感じる自分がいる。
「 別にカルマくんが謝ることじゃないよ。私が勝手にしたことだもん 」
「 でも俺のために怒ってくれたんでしょ？ 」
「 んー、そうといえばそうかなぁ。大切な人が侮辱されて黙ってられないもん 」
「 俺はAの大切な人なんだ？ 」
少し意地悪く聞いたつもりがそうだよ、とすんなり返されて言葉に詰まる。
「 カルマくんがいなかったらつまんないもん。苛立ち発散してE組にも来れたから一石二鳥だったかもね 」
まったくこういうとこがあるから。
Aはよく俺には敵わないなんて言っているけど、俺が敵わないことも多い。
例えばこんなとき、素直すぎるAに俺は完敗だ。
ぐしゃぐしゃと先程より強めに頭を撫でればAの頬が膨らむ。
「 …髪ボサボサになる 」
「 いーのいーの 」
「 良くないっ！ 」
なんでAを遠ざけてたんだか。
もちろん巻き込みたくなかった気持ちは大きかったが、結果的にAはこうしてついて来た。
ほんと、殺せんせーの言う通り、優しすぎる奴。
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奏(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます！ (2018年11月2日 11時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます！とっても面白いです！夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ！頑張ります、ありがとうございます！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年9月14日 22時
