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「 ーーーちゃんッ、Aちゃんッ 」
聞き慣れた声にハッとした。
失われていた理性が戻ってくる感覚。
目の前には信じていたはずの担任が床に蹲っている。
そして私の両脇を、必死に渚くんが押さえていた。
「 …渚くん 」
「 ダメだよッ、それ以上はきっと後悔するからッ 」
私と同じ背丈の争い事が嫌いな彼が私を懸命に止めている。
そのことに少し冷静になり周りを見れば、私に向けられる畏怖や軽蔑の目。
そして蹲っていた担任は顔を上げ憎悪に満ちた表情を浮かべる。
「 お前…、何したかわかってるのかッ‼お前もE組行きだッ 」
顔を真っ赤にした元担任。
その言葉に私は目を細めて床にあった鞄を持ち上げた。
そして後ろにいた渚くんにいつも通りの笑顔を浮かべる。
「 渚くん 」
またね。
口だけそう動かすと、渚くんはなぜか泣きそうな表情をした。
ほんとに優しいなぁ、そのうち損してしまいそうなほど。
右手を振って教室を出た。
そして私はその教室に戻ることはなかった。
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「 殺せんせー、渚くんはほんとに優しいよね 」
「 そうですねぇ 」
あれから私は停学も言い渡された。
生徒や先生を殴って停学やE組落ちだけなら、まだ良いほうだったかもしれない。
目の前の殺せんせーは私の言葉に頷いて、そして私の目をしっかり見た。
「 でも渡辺さん、あなたも充分優しいと思いますよ。いくら大切な人でも、その人のために自分を犠牲にしてまで動くことはなかなか出来ない 」
「 …自分の中の苛立ちを我慢できなかっただけだよ。人を傷つけたわけだし 」
「 確かに人を殴ったことは褒められることではありません。けれど、それに至った過程や心情は配慮され褒められるに値しますよ 」
顔に丸を浮かべた殺せんせーの触手が伸びて私の頭を撫でる。
なんだか照れくさくて誤魔化すように笑顔を浮かべてみるも殺せんせーには見透かされてそうだ。
「 さて、そろそろ先生は集会に行きますかねぇ。今回は見逃しますが、サボりは良くありませんよ 」
「 はは、努力します 」
ヌルフフフと奇妙な笑い声をあげて入り口に向かった殺せんせーが扉を開けるとおや、と呟く。
その声にそちらに目を向けると見慣れた赤髪が見えた。
「 いたんですかカルマくん 」
「 まあね、Aが遅いから 」
今度はニヤニヤと下世話な笑みを浮かべて教室を出て行った殺せんせー。
その姿を見送ると、カルマくんは教室に入ってきた。
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奏(プロフ) - ななさん» わ、ありがとうございます！ (2018年11月2日 11時) (
レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - オリジナル嬉しいです！ (2018年11月1日 16時) (レス) id: 4c73f4e37a (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 妄想族同盟No.1さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの性格は思い切り自分好みなので…そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
妄想族同盟No.1(プロフ) - いつも更新ものすごく楽しみにしてます！とっても面白いです！夢主ちゃんの性格とか言葉遣いとか大好きです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年10月12日 10時) (レス) id: fd6c898520 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - におさん» 全然文才なんてないですよ！頑張ります、ありがとうございます！ (2018年9月25日 19時) (レス) id: 9670b195a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年9月14日 22時
