【2j3jEN】唯一君だけ【男主】 (ページ10)

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Luca side

ふぅ、と吐いた煙は黒い空へ向かって登る。
それを眺めていれば、この気持ちも昇華していく気がした。

『おっと、俺にも1本くれる？』

L「ん？あぁ･･･、ごめん、ラストだよ」

『ならこれを』

Aは俺の持っている煙草を奪い、咥えた。

L「wow･･･まあいいよ」

煙草は無くなったし戻ろうかなと思い、ベランダの戸に体を向ければ、きゅっと手首を掴まれる。

L「What...！」

『今日のLucaは少し暗い顔をしてる』

L「別にそんなことないよ、離してくれない？」

少し冷たい言い方になってしまった事に自己嫌悪する。
普段なら、こんなことにはならないのに。

『嫌だなぁ。』

そのまま俺の頭を引き寄せ、ぽんぽんと撫でた。
俺の方が身長が高いから肩に顔を埋めるようになり、Aの匂いがする。安心する匂いだ。

L「･･･ちょっと、Mystaとケンカしたんだ･･･」

少し落ち着いてきて、口からするりと言葉が出る。

『あぁ、そうだと思った、帰ってきてみれば2人は顔を背けあってたからな』

『でも、喧嘩したくてしたわけじゃないだろ？』

L「もちろん！でも、口が勝手に･･･止まらなくて」

俺もミスタも子供っぽいとよく言われる。
自分が悪いと分かっていても、素直に謝れない。

『大丈夫だ、ミスタもそう思ってるはずだよ。』

ゆっくり頭を撫でてくれるAに身を任せている俺は本当に格好がつかないと思う。
でも、こうやって甘えさせてくれるAが好きだ。

L「OK.謝ってくるよ･･･」

『落ち着いた？またなんかあったら頼ってくれよ』

Aは俺から離れると、拳を俺の胸に押し付け、片手に持ったタバコをまた咥えて、夜空に煙を吐き出した。
まだ出ていきたくなくて、じっと見つめていると、何？ってこちらを見て微笑む__

『へ』

思わずほっぺにキスを落とす。
･･･真っ赤なAの顔。

L「･･･やっちゃった」

俺はガラリとベランダの窓を開け、部屋の中へ戻った。
自ら起こした行動に照れ、呆れ、しかしミスタに謝る決心をして。

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Aside

出ていってしまったルカのほうを見つめながら、俺は口をあんぐりと開けていた。

頬に暖かな柔らかな感触を感じ、チュッと可愛いリップ音が聞こえたと思えば･･･

『･･･はぁ』

挨拶の時とはまた違う意味のように感じる。
顔が熱い。でも、それ以上にあいつの赤い顔。

ルカ・カネシロ、罪な男だな･･･。