【2j3jEN】唯一君だけ【男主】 (ページ4)

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今日の依頼はリンゴ農園の木からきれいなリンゴを収穫すること。
せっかくの魔法なのに、こういう依頼多いんだよなあ
リンゴもらえるからいいけどさ

休憩時間にシャクシャクリンゴを食べてると、LINEが鳴った。

Ike今日は行けない～、ごめん

A全然大丈夫、てか来るの当たり前みたいになってるけど気にしないで、申し訳ないし

Ikeいや、僕がやりたくてやってるし、目離したらカップラーメン食べてるでしょ

Aおいしいからいいんです

Aリンゴの写真

Ikeわ、いいね

いい感じに話をそらしたところでスマホをしまい、依頼に戻った。

Ike話そらされたけど、ちゃんと食べるんだよ!!??

今日だけで300回くらい魔法を使ったので、もうそろそろ疲れた。
現に右腕が肩上に上がらなくなってしまった。

最後の木を揺らしてリンゴを落とし、そのままかごに入れると、疲れがドッと出てくる。
あ～今夜カップラーメンすら作らず寝そう。

依頼主にリンゴをもらい、報酬を受け取って帰り道。
正直もうフラフラだ。
千鳥足になってる、帰れるのかおれ、

休憩しようと思ってベンチに横になった。

『ふぅ…』

魔法使いとはいえ、キャパがあるとやることも限られる。
特に俺は簡単な魔法しかできないから、戦う魔法使いではなく、人助けする魔法使いに徹している。
でも今日は張り切りすぎた、つれえなあ

「…あの、大丈夫ですか？」

少し息を整えていると、声が聞こえた。
この声、

『…シュウ？』

S「･･･えっ、Aだったの！？」

まさかの声をかけてきたのはシュウで、見上げれば驚いた顔をしている。
こんな偶然あるもんなんだな。

S「だ、大丈夫？今日、仕事だったの？」

『…うん…あ、リンゴもらったよ』

S「それより自分の身体心配しなよっ…！」

『大丈夫だよ、ちょっと休憩したら治る…。』

S「全然そんな風に見えないんだって！」

死なないよね…って俺を覗き込む。
…泣きそうな、顔。

頬を両手で包んで、撫でる。
安心させたくて、俺生きてるよって

そしたら逆効果だった、ぽろぽろ涙が止まらない。

俺のね

S「…A、」

『あー…何でこんな俺使えねぇんだろ、もっと、キャパも規模もなしに魔法が使えたら、そしたら、もっと強くなれたのに』

普段は吐かない弱音が次々口からでてくる。