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『 瑞稀くん 』
遠ざかるAに向かって
走り出そうとした刹那
まるで待っていたかのように
誰かに呼び止められた
振り向けば、そこにいたのは
「 ひかり、」
『 久しぶりだね 』
『 帰ってきてたんだ 』
昔の彼女
「 何でここにいんの 」
『 なんでもいいでしょ、用事の帰り 』
嘘を塗り固めるようなその笑顔に
身体の奥が震えた気がして
あの日が蘇ってきた
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『 瑞稀くんってさ 』
高一の夏、まだ日本にいた頃
誰もいない放課後の教室に呼び出された俺は
『 バイト、してるんだよね 』
クラスメイトのひかりに
ずっと隠していたはずの秘密が、バレた
「 なんで 」
『 あ〜、大丈夫、チクッたりはしないから 』
『 その代わり 』
そこで言葉を止めて
俺の方に近付いてきて
ネクタイを引っ張られて
気が付いたら、キスされていた
「 っ、! 」
『 わたしと付き合ってくれたら、だけどね 』
すべて、計算だったんだ
俺と付き合うための
...... 女は小賢しくて嫌いだ
脳裏に浮かんだ、あいつ以外は
でも、もし今断れば
留学の話はもちろん
学校にさえいられなくなる
「 わ、かった、」
『 ふふっ、嬉しい 』
まるで、一瞬にして仮面を被ったような笑顔
気持ち悪いと思ってしまうくらいに
その笑顔が怖かった
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Luv(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます! いつになるかはまだ分かりませんが、必ず戻ってきます!! (2018年9月8日 20時) (レス) id: 5d6877df27 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - すごく好きなお話だったので、また通知が来るのをずっと待ってます!お勉強頑張ってください! (2018年9月8日 19時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Luv | 作成日時:2018年6月18日 18時