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『 何あったの? 』
背中から伝わる手のリズムが
少しずつ
わたしの心を宥めて
「 あの、まず謝りたいんです、 」
悲しい顔をさせたこと
嫌な思いをさせたこと
「 謝りたい、というか、誤解と言うか 」
そう
瑞稀はわたしにとって
もう意味を持つ人なんかじゃない
優斗さんを不安にさせるような人なんかじゃないんだ
「 さっき言ってた瑞稀、って人は、 」
背中をさすっていた手が、ぴくりと止まった
「 昔のクラスメイトです。女の子の 」
わたしは、嘘をついた
ほんとのことは
優斗さんを傷付ける気がして
言えなかった
『 ...... 良かったぁ、』
その嘘と引き換えに
優斗さんは、笑ってくれた
『 寝言で呟いてたからさ 』
それはつまり無意識で
意識せずとも思い出せるなんて
「 懐かしい夢を見てたんだと思います 」
「 その子、転校してから会えてなくて、」
嘘に嘘を重ねる
何があっても
優斗さんは悲しませたくない
_____ わたしにとって瑞稀は
もう知らない人で
わたし達には何も無かった
それなのに、どうしてわたしは
夢にまで見るんだろう
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Luv(プロフ) - ハルさん» ありがとうございます! いつになるかはまだ分かりませんが、必ず戻ってきます!! (2018年9月8日 20時) (レス) id: 5d6877df27 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - すごく好きなお話だったので、また通知が来るのをずっと待ってます!お勉強頑張ってください! (2018年9月8日 19時) (レス) id: a070df98c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Luv | 作成日時:2018年6月18日 18時