【実|況|者】裏の世界へようこそ（仮）《TOP4》

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成瀬弟がばっと手を上げると、大量の黒ずくめの男どもが部屋に入ってきて私たちを銃口を向けて取り囲んだ。

外で警備をしていた人とはガタイが明らかに違う。

「大人しく武器を捨てて両手を上げろ」

キヨ「くっ、これは参ったな…」

手に持ってた武器を置き、両手を上げて顔を歪めるキヨくん。
私も両手を上げ、抵抗の意思はないことを示す。

「くくく…はははははははははははっ！！！」

顔を天へ向け大声で笑う成瀬弟。

「こいつらは生け捕りにして売り飛ばしてやる。
きっと高く売れるぞぉ。特に…」

コツコツと私の方へ歩み寄ってくる成瀬弟。

「こんな若くて良い女は引く手数多だろうな！」

顎を持ち上げられ、成瀬弟の笑った顔が良く見えた。

キヨ「…っ！てめぇ…っ！！」

『抑えて』

拳に力を入れ始めたキヨくんをなだめる。

「そうだ、いい判断だぞぉ？なにか俺にしてみろ、この女どうなるか知らんぞ」

ぺちぺちと頬を触られる。

キヨ「…く…っ……」

そんな私の様子を見て奥歯を噛み締めて耐えているキヨくん。

「さて、出荷準備とするか。拘束しろ」

黒ずくめの男どもの一部がロープを取り出し、私とキヨくんを後ろ手に縛り、足も拘束した。
目隠しをされ、そのまま麻袋のような袋の中に詰め込まれた。
そのまままるで米や野菜を運ぶかのように引きずりながらトラックの荷台へ乗せられる。

「くくく、すっかり大人しくなりやがって。到着まで少し揺れるが気にするな。お前らを最高の場所へ連れて行ってやるさ」

成瀬弟はそう言ってまた大声で笑い、トラックの扉をバタンと閉めた。

一瞬の静寂が訪れたが、エンジン音が聞こえ揺れ始めた。

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