162☆そうじゃなくっちゃ ページ12
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「オレサー2040のテストをしてたら、急に反応があってな!」
「ええ!?」
「須賀ちゃんにはもう連絡した!ボクたちも急ぐぞ!」
「は、はい!」
Aたちは、天野家を飛び出した。
オレも、行きたい。
出かけた言葉は、なんとなくひゅっと体の中に戻ってしまって、
ケースケは何も言えずに2人が出て行くのを眺めていた。
「あーあ、とっとと行っちゃった」
「ケースケは行かなくていいの?」
フミカが問いかけると、ケースケは布巾をたたんで片付け、「家の手伝いもあるし……」とつぶやいた。
「オレが言っても……何の役にも立てないし……」
「それでいいの?」
「さ、最近じゃ、おじさんの方がAの役に立ってるって感じでさ……オレとか、存在感ないし。空気っていうか」
ぼそぼそと言い訳を並べるケースケに、フミカは「あのね、お母さんは、『それでいいの』って訊いてるのよ」と語りかける。
「お、お母さん……」と困ったような顔で言うケースケに、フミカは重ねて「それでいいの?」と訊ねた。
「そ、それは……う、うううう……」
「本当に、それでいいの?」
「よ、良くないよ!!」
「でしょ?」
「オレも行く!!」
フミカは、家を飛び出したケースケを見送ると「そうだよね。そうじゃなくっちゃ。何してんのか、知らないけど」と小さく笑った。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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惠里子(プロフ) - おもちさん» 読んでくださってありがとうございます!全然更新できてなくて申し訳ありません!! (2020年3月11日 13時) (レス) id: 810773929b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - とても面白かったです! (2020年3月11日 5時) (レス) id: 078190c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年10月12日 10時