161☆姉のような気持ち ページ11
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天野家にて、リビングをせっせと掃除しているケースケを、Aはカバンを下ろしながら眺めた。
ケースケを見てよみがえるのは、
どうしたってあの元気のない顔で、
あれ以来ちゃんと話していなかったものの、
Aは思わず「すごい……」とつぶやいた。
「ケースケがお手伝いしてるとこ初めて見た」
Aの言葉にフミカは「最近、結構真面目にお手伝いしてくれるのよ。ほんと、助かっちゃって」と頬杖をついて笑う。
「お母さん、次は?」
「じゃあ、布巾でテーブルを拭いてほしいな」
「はーい」
何でもない顔で振り返って、ケースケは素直にフミカから布巾を受け取った。
Aは若干成長したケースケの姿を見て、姉のような気持ちが胸に湧き上がる。
「ケースケ、お手伝いがすっかり板について、立派だね!」
「いや……普通だよ。このくらい」
「へぇ……」
「それにさ……なんか今回の事件って、所長とかその野場先生とかって、オレが入り込める感じがしないし。なら、お母さんの手伝いでもしてた方がいい」
眉毛を下げて笑ったケースケの言葉が、
そのままAの耳に届く。
そのとき、いきなり庭へ続く窓ガラスがガラッと開いた。カギがかかっていなかったようだ。
「若園、若園〜!!」
「所長……」
「あら、博人さん。いらっしゃい。ウチには玄関ってものもあるんだけど……」とのんきに出迎えるフミカだが、所長は焦った顔で「び、び、び、ビッグ!!」とAに叫ぶ。
「は、はい?」
「ビッグアリーナに、オーパーツ反応だ!」
「ええ!?」
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ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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惠里子(プロフ) - おもちさん» 読んでくださってありがとうございます!全然更新できてなくて申し訳ありません!! (2020年3月11日 13時) (レス) id: 810773929b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - とても面白かったです! (2020年3月11日 5時) (レス) id: 078190c9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年10月12日 10時