【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ38)

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88☆どうしちゃったのページ38

「おびき出すって、どうやって？」

「そーだなぁ……
妖術でビルを壊すとかってのはどうだろう？」

アキノリのとんでもない提案に、
Aは一瞬固まった。

「ビルを壊す……？
そ、それじゃ勝(まさる)って人と同じだよ！」

「もちろん、誰もいないビルを選ぶさ。
とにかくさ、同じようなことをしたら……

勝手に真似すんなってことになって、
ヤツはオレの前に現れる、って展開さ」

Aはアキノリの発言に言葉をなくす。

「そんなむちゃくちゃな……」

「な、いいアイデアだろ？」

カッコつけてニイッと笑うアキノリに対し、
Aは全力で首を横に振った。

「ダメだよ。そんな作戦に妖怪ウォッチは貸せない。
ビルを壊すなんて、過激すぎる」

「お前はあめーんだよ。相手は悪いやつなんだぞ。
オレは悪いやつを倒すのに、方法は選ばねーぞ！」

強く言い返されるが、Aも負けじと
必死でアキノリを止める。

「ダメだよ！アキノリ、一体どうしちゃったの!?」

「だから、壊すビルだって、誰もいないのにするって。それなら怪我する人だっていねーし、問題無しだ！

そうそう、壊す予定のビルを選ぶのもいいな」

どんどん無責任なことを言うアキノリに、
Aは少し怒り始めていた。

「とにかくダメ！絶対問題が起きる！」

「お前って結構頑固なやつなんだなぁ……
せっかくオレがいいアイデアを出してんのに。

まぁしゃーないな。

その妖怪ウォッチはお前のだし、これ以上
無理は言わねーよ」

いやいやながらも折れてくれたアキノリに、
Aはほっとして息をつく。

「なら、いいけど……」

「あーあ、何だってお前みたいなのに、
正義の妖怪ウォッチが与えられたんだろーなぁ」

アキノリはまだ納得がいっていないようだ。Aはそんなアキノリを見て心配しつつ、少し悲しくもなった。

「アキノリ……」

「オレだったら、もっと早く解決できんのになー。

あの須賀って人も、LUNAに頼むんじゃなくて、
うすらぬらに書き込んでさえくれれば……」

Aは自分のやり方を変えるつもりは毛頭ないが、
アキノリの言葉に少し惑わされる。

……いくら正義だと言っても、いずれは戦うことになるのだし、手段を選んでいたら遅いのかな……。