【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ37)

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87☆スタッフページ37

Aは封筒をカバンにしまい、それを大事に抱えて天野家にやってきた。

例によってアキノリもいる。

「はいこれ、日美子さんから預かってきました。
所長のツケです……」

「あ！わざわざありがとう！
何かいい依頼でも入ったの？」

フミカが急な支払いを不思議に思って訊ねると、
Aより先にアキノリが口を開いた。

「はい。オレたち国からの依頼で
調査をやってるんです」

「『オレたち』って……なんでアキノリ君が？」

Aが何か言おうとしたが、
またしてもアキノリが答える。

「オレは今や、LUNAのスタッフみたいなものでして
……ナツメやケースケも」

「な、なに、それ。私、聞いてないわよ」

戸惑うフミカに、アキノリは軽い調子で言った。

「まぁ、つい最近からだし、
言いにくかったんじゃないですか？」

「本当なの？Aちゃん」

いきなり話を振られてAはドキッとする。
どう言えばいいか分からず、適当にはぐらかした。

「ま、まぁ……スタッフって言うのは、ちょっと……」

「やっぱり。

アキノリ君、勉強とか家の手伝いがいやだから、
無理やり押しかけてるんじゃないの？」

鋭い指摘をされて、今度はアキノリがドキッとする。

「ん、んなことないですよ！
A、外で打ち合わせしよーぜ！」

「え、ちょっ、ちょっと……」

アキノリはAの腕をつかむと、外へ連れ出した。

「もう！アキノリ君！」

フミカは少し怒ったように呼ぶが、２人が出て行くと「しょうがないな」と言うように顔をほころばせた。

「ふぅ……。まったく、ナツメに似て勘がいいんだから。ところでA、勝(まさる)をどうやって倒すんだ？」

「どうって……まずはあの人を探し出さないと」

額の汗を拭きながら訊ねるアキノリにAがそう答えると、アキノリはうんうんとうなずく。

「逃げちまったもんな。なーA、
オレにその妖怪ウォッチ貸してくれよ！」

「アキノリに？な、何に使うの？」

嫌な予感がしてAが顔をこわばらせると、
アキノリは当然のように言った。

「決まってるだろ？

オレが妖怪を召喚して、勝をおびき出すんだ！

オレのアニマスじゃ幻獣しか呼び出せないし、
オレの体力も削られちゃうし」