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85☆大人として ページ35

(まさる)、タスケニキタゾ」





「バグ……あ、ありがたい!」






バグはアークを取り出すと、それをベルトのバックルに触れさせた。するとアークの妖怪が呼び出される。





「こ、こいつも妖怪を呼び出せるのかよ!!」




「ヤツラヲヤッツケロ!!」




Aは妖怪ウォッチを構え、
うんがい鏡を召喚した。





バグが召喚した妖怪は「ふぶき姫」というらしく、
吐息で物を凍らせる力があるようだ。






妖気を吸い取り、また敵の妖術を跳ね返す能力があるうんがい鏡を召喚したのは正しかったようで、






Aは数分で勝利した。






後ろから妖術で援護してくれていたアキノリは、
バグが消えるとAに駆け寄る。






「やったなA!見事なバトルだったぜ!!」




「う、うん……でも……」






(まさる)という青年は、どこにもいない。







「逃げられちまったか」




「うん……」





Aは肩を落とし、
バグが落としていったふぶき姫のアークを拾った。





敵を逃して落ち込むAを元気づけようとして、
アキノリは明るい声で言う。






「とりあえず戻ろうぜ。
オッサンたちに怪しまれる」





「そうだね」





Aはアキノリに微笑むと、
2人でおうぎ公園の方へ走って戻っていった。






そのとき、放水路の暗がりの物陰から、
1人の男性が姿を現した。






「な、なんてことだ……」







なんと、須賀がすべてを見ていたのだ。






「い、いけない……あんな子どもたちを戦わせちゃ……。大人として……放っておいちゃダメだ……!!」






須賀は心の中で何かを決心すると、
Aたちに追いつかないよう、歩いて公園へ向かった。

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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年7月30日 19時

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