54☆もっと調査を ページ4
ひらひらと手を振りながら、バカにするようにそう言った先生を見て、所長は憤慨する。
「この……!しらばっくれるつもりか?」
所長はポケットから調査マシンを取り出した。
「人間でないのなら……もしくはエスパーならこれで分かるはず!調べさせていただくぞ!」
「どうぞ、ご自由に……」
先生はまたも余裕そうな表情で、空港で身体検査を受ける人のように両手を広げてまっすぐ立った。
「む、むむむむ……」
「どういたしましたかな?」
調査マシンに映し出された結果を見て、
所長は戸惑う。
「く、くぅ……人間だ……この男、ただの人間だ。
不思議な力など、何も持っておらん!」
「いいえ、ただの人間ではなく、
優れた弁護士ですよ」
平静な態度の先生に、
所長は為すすべもなくうなだれた。
「こ、このマシンではダメなのか……」
「さ、ワタクシは裁判の用意に忙しい……
そろそろお引き取りいただけませんかな?」
先生はドアを開けると2人に外へ出るように促す。
「く、くぅぅぅぅぅ!!」
「今時、妖怪だの隠し神だの、
とてもナンセンス……」
話しながら先生はため息をつき、
所長はさらに悔しそうな顔をする。
「ぬ、ぬぬぬぬぬぬ……!!」
「これ以上ワタクシの前でうなるのなら、
警察を呼びます!」
仕方なく所長とAはその部屋を出て、
階段を下り、外に出た。
「怪しい……あいつは怪しいのに……!!」
「所長、これからどうします?」
やりきれなさに地団駄を踏む所長に
Aが訊ねた。
「うーむ……
もっと調査をして、あいつが言い訳できない証拠をそろえなければ……それまでは、ここに来ても意味がないな」
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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年7月30日 19時