【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ28)

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78☆裏のボタンページ28

「つまり、この現象にもハデスの妖怪ウォッチが関わってるの？」

「そうだ。
だから、悪を止めるのだ。

より早く、より確実に。
そして戦え。

そうすれば、妖怪ウォッチに破壊の力が……。
私の世界を……」

だんだんと小さくなる声はAには届かず、
よく聞き取れなかった。

「え……なに……？」

「気にしなくていい。
お前には関係のないことだ」

あっけなくそう言われ、
Aは戸惑いながらうなずく。

「う、うん……とにかく……、
私の妖怪ウォッチが……レベルアップしたんだね」

「どうしても音を止めたければ、
裏のボタンを４回押すのだ」

そう言われてAは、妖怪ウォッチを裏返してみた。
そこには確かに小さなボタンがある。

「そ、そうだカイラ君……それともカイラさん？
妖怪ウォッチについて、もっと知りたいんだけど……。

あ、あれ……？」

Aはあたりをキョロキョロと見渡す。
カイラはいつの間にか姿を消していた。

「か、カイラ……」

路地に１人取り残されて唖然としていると、
遠くから声が聞こえてくる。

「若園～!!」

「Aさん！」

所長と須賀がAを呼びながら、
走ってこちらに向かってきていた。

「あ……」

「どうしたんですか？
ここになにか？」

須賀に訊ねられ、
Aはドキッとして目を泳がせる。

「そ、それが……お、オモチャが……。

そうそうそう、たまたま持ってたオモチャが鳴っちゃって……調査の邪魔になったら、ま、まずいと思って……。

ここまで走ってきたんです……」

「オモチャ？

調査現場にそんなもの持ってくるとは。
まだまだ半人前だなぁ！」

Aの発言に所長はがっくり。一方Aは、
うまくごまかせたことに安堵し、苦笑した。

「ご、ごめんなさい……あははははぁ……」

所長の咳払いを合図に、
一同は気を取り直す。

「さて、次はさくら駅か」

「あ、そちらはまだ、警察が調査中です」

「ほう、なら須賀さんが
話を通してくれませんかな？」

「それが、我々と警察とでは、
管轄が違うので……」

「むぅ……なかなか複雑なようですな」

「すみません。駅の調査は、
また次の機会ということで」

「分かりました。それではさくら駅は、
来週の調査とする。いいな、若園」

「はい！」

また妖怪ウォッチのせいで起きた現象か。
私がなんとかしないと……。