【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ19)

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69☆別の話ページ19

「う、うん……」

こわばっていたAの顔が
柔らかくほどけていった。

「それからね、名前……呼び捨てでいいよ。
ちゃん付け君付けってなんか、距離感じるし。

だから私たちも、『A』って呼んでいい？」

ナツメの言葉に、
Aは花のような笑顔で応える。

「うん……うん！もちろん！」

そのとき、部屋の外からドタバタと足音が聞こえ、
いきなりバンッとドアが開いた。

「２D人!!今日という今日こそ……!!
たとえ証拠がなくとも!!見て見ぬフリは出来ないのだ！

て……あれれ？なんで若園がここに？
しかもゲーセンにいた少年たちまでいるとは？」

Aたち５人を見て目をパチクリさせたのは、
所長だ。

「じゃーな、A！
これからは仲間だぜ！」

アキノリはそう言うと、
そそくさと部屋から出て行った。

「うん……あ、えっと……」

Aが何か言おうとすると、
今度はトウマが口を開く。

「そうだ、来週はサマーカップだから、
絶対出場してね」

ナツメとケースケも部屋を出て行き、
Aはその背中に手を振った。

「ゲーセンの少年たちが、
なにゆえこの事務所に？」

「は、はい。私について来ちゃって」

Aが焦りながら答えると、
所長は不思議そうに首を傾げる。

「ふむ……。

やや!?２D人が倒れているではないか!?」

所長は、床に倒れたまま意識がない先生に
ようやく気がついた。

「そ、そ、そうなんですよ！
私もびっくりしちゃって！」

とAは冷や汗ダラダラで言う。

「気を失ってるようだが……うーむ……」

所長はわけがわからないまま先生の脈を測り、
息があるか確認した。

「と、とりあえず救急車を呼びましょう」

とAが提案すると、

「おお！そうだな！それがいい!!」

と所長は急いでケータイを取り出す。

　

　

　

　

　
次の日のこと……

伸也を始めとして、行方知らずだった人たちが、
次々と家に戻ってきた。

先生は、Aとの約束を果たした。

もちろん、だからと言って、先生のやったことは、
許されない悪行なのだが。

そして後日、

天野家に行き、ナツメから、密かに存在した「妖怪探偵団」のことを聞いて驚いたAの叫び声が住宅街に響き渡るのは、

また別の話。