93☆代表として ページ43
「き、君たちは……今までこうやって……?」
Aとアキノリの後ろから、須賀が歩いてきてそう言った。
「は、はい」
「こうやって戦ってきたのか?」
須賀が訊ねると、アキノリが意気揚々として答える。
「ああ!オレとこいつのコンビで勝ちまくりだぜ!」
Aは、「コンビだったっけ」という言葉をぐっとこらえ、こう付け加えた。
「所長たちには内緒なんですけど」
「そうか……だからLUNAに依頼のあった現象は、
いつの間にか解決されてたってことになるのか……」
須賀は納得したように、
自分に言い聞かせるようにそう言う。
「そうです。
須賀さん、これからどうするんです?」
「う、うん……」
最も気がかりだったことを問うと、
須賀も顔がこわばった。
「国とか、上の人にこのことを話すんですか?」
「な、なんだって!?」
アキノリがぎょっとすると、須賀は目を閉じ、
しばらく考え込んでから口を開く。
「そうだな……本来なら、
私にはそうする義務がある」
「おいおいおい!」
焦るアキノリを制止するように、
須賀は続けて話し出した。
「しかし、私には妖怪ウォッチを使えなかった……」
するとアキノリはニッと笑う。
「そうだぜ!正義の妖怪ウォッチは、
Aしか使えないんだ!」
「そう……そして妖怪が実行犯である以上、
警察では手も足も出ない……」
「あったりまえだろ!警察が妖怪を止められるかよ!」
「うん……」
Aは不安そうな顔で須賀を見つめた。
「須賀さん……」
すると須賀は、Aに向かって微笑んだ。
「ああ……私にも分かるよ。
このままがベストだって」
途端にAもアキノリも、
パアッと明るい表情になる。
「じゃ、じゃあ……!」
「このことは、私の胸の内にそっとしまっておく……」
「おお!話が分かるじゃねーか!」
Aがほっと息をつくと、
須賀はさらにこう言った。
「だが、私にはすべてを話してほしい。
これまでのこと、これからどうすればいいかを」
「は、はい」
「その上で、私も協力させてもらう。
政府の代表として、大人の代表として」
須賀の優しさ、心遣い、そしてその穏やかな笑顔に、
Aは心から感謝した。
「あ、ありがとうございます!」
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作者名:惠里子 | 作成日時:2019年7月30日 19時