【妖怪ウォッチ】月と星と太陽２ (ページ15)

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65☆だからってページ15

Aは先生の事務所まで戻ってきた。

「あいつは中に逃げた!?」

急いで中に入り、
階段を上がっていくAの姿を、

通りかかった４人の少年少女が見ていた。

「あれ……今のって……Aちゃんだよね」

とナツメは立ち止まる。

「うん。こんなビルに何の用だろう。
また、調査とかかな」

とケースケが言うと、
トウマはあごに手を当てた。

「そういえばAさん……。
『鏡に吸い込まれる』とか言ってたな……。

アキノリ」

「ん？」

「僕たちの知識が、役に立つかも知れない」

「マジで？よっしゃ！
オレも手伝おうっと！」

言うが早いか、アキノリとトウマは
ビルの中へ入っていき、

「ちょ、ちょっと２人とも！」

とナツメは反射的に怒り顔になる。

「怒られたらどうするの……」

と不安になりながら、
ナツメとケースケも後に続くのだった。

　

　

　

　

　

「見つけた！」

と扉を開けたAが叫ぶ。

部屋の中の先生は振り返り、言った。

「し、しまった……！
か、鍵をかけ忘れました……」

「妖怪ウォッチを渡して！
それは悪いヤツが持ってちゃダメなの!!」

とAは先生へと片手を差し出す。

「う、うるさいですね。何が『悪いヤツ』ですか。
ワタクシは、正しい判決のために、コレを使ったのです！」

先生はスーツのジャケットを脱ぎながらAの前に移動し、まっすぐその目を見つめて、そう言った。

「正しい判決？」

「この国の裁判は、たびたび間違った判決が下される。
ワタクシにはそれが許せないのですよ！

正しい判決のためなら……たとえそれが悪行であっても……やむを得ないことなのです!!」

と先生はAから目をそらす。
Aはぐいと顔を近づけた。

「そんなの間違ってるよ！
だからって、伸也さんたちをさらっていいはずがない！」

先生は顔をそむけたまま黙っていたが、
やがてポケットから

妖怪ウォッチとアークを取り出し、
妖怪を召喚した。

「さぁ、うんがい鏡！
ワタクシを守りなさい!!」

Aもポケットからアークを取り出すと、
それをぎゅっと握りしめた。

　

　
そのとき、

「あれは……うんがい鏡……!?」

扉の隙間から事務所の中をのぞいていたアキノリが、
驚いて息を飲んだ。