過去と今 ［ノーマン］ ページ24
私はゆっくりと目を開けた。何度か瞬きをして、起き上がる。時計の針は5時を指していた。しっかりと靴紐を結んで、皆を起こさないようにそっと部屋を出る。
無人の廊下をのんびりと歩く。食堂に行って、水を飲もうかなと考えながら大きく欠伸をする。
曲がり角を曲がろうとした時、ぼーっとしていた私は前をよく見ておらず、何かにぶつかった。
「うわっ。…ルーナ？」
その声を聞いて顔を上げれば、青空のような青い目と目が合った。
「おはよー。ノーマン。…ごめん。ぼーっとしてた。」
「おはよう。ルーナ。珍しいね。こんなに早く起きてくるなんて。」
そう言って笑うノーマンに、私は苦笑いを隠せない。今はきちんと起きれるが、昔は毎日のように寝坊していた。その度にギルダとエマに注意されるし、ドンとレイにはからかわれた。ノーマンは今でも笑い話として話を掘り返してくる。
「そういえば、どこに行こうとしてたの？」
「食堂に行こうかなって。水飲みたいから。」
そう返せば、暇だからという理由でノーマンも一緒に行く事になった。
食堂に行く途中、思い出話を沢山話した。エマとレイがノーマンの為に夜の森に行った事。私が木に初めて登った時、怖くて降りることが出来なかった事。…その他いろいろ。
食堂に着いて、コップに水を入れて飲む。ノーマンも水を飲んだ。
その後、また思い出話をしているとノーマンがぽつりと呟いた。
「ルーナは昔と比べて変わったよね。」
「…そう？」
私はうーんと考える。ノーマンは昔より病気になりにくくなった。だけど、それ以外はあんまり変わっていないような気がする。…私は何が変わったんだろう。考えても分からない。
分からないと言うように首をかしげれば、ノーマンは話し始める。
「まず、早く起きるようになったよね。次に、本をよく読むようになった。それから、落ち着いて行動するようになった。昔はエマと同じくらいお転婆だったのに。」
「早く起きるようになったのは、皆を見返そうと思ったからかな。本は、好きなジャンルの本しか読まないし。…このくらいの年齢でお転婆なのはエマだけでいいよ。勿論、いい意味でね。」
そう言って笑えば、ノーマンも笑った。
ああ。こんな幸せな日々がずっとずーっと続けばいいのに。
なんて考える私は昔と変わらないくらい幼稚で。
でも、この考えが幼稚だと知っている私は、昔とは違うんだ。
―今日もまた、何も知らないふりをする。
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星花(プロフ) - Vermutさん» ありがとうございます！ その言葉に涙が出そうです。 また気が向いたら書くので、その時はよろしくお願いします！(´ω｀*) (2019年3月26日 14時) (
レス) id: 4d854995e2 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 完結おめでとうございます！凄く面白い作品だったので、終わっちゃうのは寂しいです……。この作品に、沢山のものを貰いました。私は小説を書いて2年目になるのですが、この作品を見て、多くの事を学ばせて頂けました。本当にありがとうございました。 (2019年3月26日 14時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
星花(プロフ) - ドラゴンさん» コメントありがとうございます！ 早いですね！ 明日中には更新致しますので、お待ちくださいませ！ (2019年3月25日 22時) (レス) id: 72b922117a (このIDを非表示/違反報告)
ドラゴン - 次の問題も解けました!答え合わせ早く見たいです! (2019年3月25日 21時) (レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
星花(プロフ) - ドラゴンさん» わわっ！コメントありがとうございます！ 今続きを書いていますので、もうしばらくお待ちください･･･！ (2019年3月24日 22時) (レス) id: 3bdc83d578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊星花＊ | 作成日時：2019年3月12日 13時
