雪合戦！ ［ドン・ギルダ］ ページ21
雪がたくさん積もった4年前のあの日。私は誰も来なさそうな森の中で、一面白銀の世界にうっとりとしていた。ここならきっと、誰も足を踏み入れない。自分だけの世界だ。1歩踏み出せばさくっと音がする。クルクルと回ってみれば、私にはここがステージに見えた。足でリズムをとって、雪を自分の頭上に投げたりして楽しんだ。
少し休もうと思って小さい雪だるまを3つ作った。一番大きいのがドン、その次がギルダ。一番小さいのが私。横一列に並べたら、本で見たマトリョーシカのようだった。雪ダルマトリョーシカ。
それらを木の上に乗せる。ここなら早く溶けることはないし、私だけの秘密だから丁度良い場所だった。その時、後ろから2人分の足音が聞こえた。
「ルーナ！覚悟ー！」
「私も！えい！」
私が振り向くと同時に投げられた雪玉は見事に私の顔と腕に当たった。
「うぐっ…！冷たっ。」
顔についた雪を取って、ドンとギルダを見れば、2人はいたずらっ子のように笑う。
「作戦成功だな！ギルダ！」
「うん！ルーナ、ついてきて！」
そう言って2人は私の手を取って走る。着いたところは、誰もいなくて少し驚いた。その代わりに、雪玉がいくつか置いてあった。
「ルーナ、いつも1人で遊んでるから。たまには一緒に遊ぼうよ！」
「3人だけの雪合戦！やろうぜ！」
そっか。私が皆で遊ぶのが嫌いだから、わざわざ場所を変えて誘ってくれたんだ。
「ありがとう。ドン、ギルダ。」
私は笑ってお礼を言った。ドンとギルダも、つられたように笑った。
「よーし！じゃあ、雪合戦スタートだ！」
ドンの声で始まった雪合戦は、楽しかった。木の後ろに隠れたり、間一髪で雪玉をかわしたり。
私とギルダが組んで、ドンを挟み撃ちにしたり、木の上から2人を狙ったり。
しばらく遊んだ私達は、疲れて雪の上に寝転がる。
「あー。疲れた！」
「本当！でも、楽しかったでしょ？初めての3人での雪合戦。」
ギルダの問いかけに私は頷く。
「木の上から狙われるとは思わなかったけどな！」
ドンの言葉に思わず笑う。
「雪を集めようと思ったら、丁度ドンがいたから。降りたら見つかりそうだったし。」
私はすくっと立ち上がる。
「楽しかった。ありがとう。そんなに寝転がってると、髪とか濡れちゃうよ。」
そう言って2人に手を差しだす。2人は驚いたが、私の手を握ってくれた。
そして、ゆっくりとハウスの方に戻っていった。
3体の雪だるまもまた、木の上で仲良く並んでいたのだった。
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星花(プロフ) - Vermutさん» ありがとうございます！ その言葉に涙が出そうです。 また気が向いたら書くので、その時はよろしくお願いします！(´ω｀*) (2019年3月26日 14時) (
レス) id: 4d854995e2 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 完結おめでとうございます！凄く面白い作品だったので、終わっちゃうのは寂しいです……。この作品に、沢山のものを貰いました。私は小説を書いて2年目になるのですが、この作品を見て、多くの事を学ばせて頂けました。本当にありがとうございました。 (2019年3月26日 14時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
星花(プロフ) - ドラゴンさん» コメントありがとうございます！ 早いですね！ 明日中には更新致しますので、お待ちくださいませ！ (2019年3月25日 22時) (レス) id: 72b922117a (このIDを非表示/違反報告)
ドラゴン - 次の問題も解けました!答え合わせ早く見たいです! (2019年3月25日 21時) (レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
星花(プロフ) - ドラゴンさん» わわっ！コメントありがとうございます！ 今続きを書いていますので、もうしばらくお待ちください･･･！ (2019年3月24日 22時) (レス) id: 3bdc83d578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊星花＊ | 作成日時：2019年3月12日 13時
