隠し事 ［エマ］ Vermut様リクエスト ページ14
リクエストありがとうございました！ 1人1話として書かせていただきました。
-----------------------------------------------------------------------------
「ねぇ。何か隠し事してない？」
その声で後ろを振り向くと、エマが彼女らしくない険しい顔で私を見ている。私はエマと対照的に微笑む。
「何の事？」
そう知らないふりをすれば、エマはさらに眉間にしわをよせる。
「とぼけないでよ、ルーナ。最近クマひどいよ？寝不足？」
こういう時のエマの勘は鋭い。
「何でもないって。きちんと寝てるし。…気のせいじゃない？」
と笑ってごまかす。いつもならエマはここで食い下がる…はず。
「フィルが言ってたよ。『最近ルーナが夜遅くまで図書室にいる』って。…フィルだけじゃない。ナットとかラニオンも言ってた。」
その言葉を聞いて、思わず苦虫を嚙み潰したような顔をしてしまった。エマがそれを見逃すはずがなく、
「何か隠してるでしょ！話して！」
と口調に怒気を含める。
私はグッと拳を握りしめて呟く。
「…たかがそんなことで怒らなくてもいいじゃない。」
その言葉は、家族思いのエマを怒らせるには十分だった。
「…たかがそんなこと…？ふざけないで！皆心配してるんだよ！？」
私はエマに負けじと言い返す。
「毎日毎日同じ時間に皆が寝れると思わないでくれる？小さな親切、大きなお世話よ！」
「私はルーナが心配で・・・！」
「うるさい！・・・もう放っておいてよ。1人にさせて。」
エマの言葉を遮って、私は森へと走った。すれ違う皆に驚かれたけど、気づかないふりをした。
ー走ってるうちに、涙が溢れたことなんて。
息を切らしながら、私は森の奥まで来ていた。ペタンと地面に座り込んで子供のように泣きじゃくった。とめどなく溢れる涙とともに、さっきのエマとの喧嘩を思い出す。
エマが家族思いなのはずっと前から知ってる。いつも周りを気に掛ける優しい姿は私の憧れだった。
だけどいつからか、私は気づいてしまった。私はエマみたいにはなれないことを。
誰かに手を差し伸べる勇気も、優しさも私には無いことを。
「ルーナ…！やっと見つけた…！」
そう言いながらエマは私の隣に座った。そして静かに口を開く。
「ごめんね、ルーナ。無理に聞くことじゃなかった。」
「…違う。ごめんは私の台詞。…心配かけてごめんなさい…迷惑かけてごめんなさいっ…！」
顔を覆いながら私は泣き崩れる。
そんな私の背を優しくさするエマの手はとても温かかった。
どうして…！？ ［ノーマン］ Vermut様リクエスト→←ステイルとチェック ［ノーマン］
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星花(プロフ) - Vermutさん» ありがとうございます！ その言葉に涙が出そうです。 また気が向いたら書くので、その時はよろしくお願いします！(´ω｀*) (2019年3月26日 14時) (
レス) id: 4d854995e2 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 完結おめでとうございます！凄く面白い作品だったので、終わっちゃうのは寂しいです……。この作品に、沢山のものを貰いました。私は小説を書いて2年目になるのですが、この作品を見て、多くの事を学ばせて頂けました。本当にありがとうございました。 (2019年3月26日 14時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
星花(プロフ) - ドラゴンさん» コメントありがとうございます！ 早いですね！ 明日中には更新致しますので、お待ちくださいませ！ (2019年3月25日 22時) (レス) id: 72b922117a (このIDを非表示/違反報告)
ドラゴン - 次の問題も解けました!答え合わせ早く見たいです! (2019年3月25日 21時) (レス) id: cddb962df9 (このIDを非表示/違反報告)
星花(プロフ) - ドラゴンさん» わわっ！コメントありがとうございます！ 今続きを書いていますので、もうしばらくお待ちください･･･！ (2019年3月24日 22時) (レス) id: 3bdc83d578 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＊星花＊ | 作成日時：2019年3月12日 13時
