名探偵コナン から紅の恋歌

8話 ページ9

IN浪花警察病院

病院には大量のパトカーと救急車が停まり、ケガを負った人たちが運び込まれた。

秘｢会長、いかがでしたか｣

阿｢ああ、何ともない、単なるかすり傷や｣

紅｢大会直前にこんな事件に巻き込まれるなんて…｣

阿｢ああ…思いもよらんことや。これで長年続いた皐月杯も中止せなあかんかもしれんなぁ…｣

貴｢そんなの絶対あかん！！｣

紅｢その通りや！ こういうときやからこそ、皐月会健在をアピールすべきやと思います！｣

阿｢だが…決勝戦で使用される皐月会のかるたも燃えてしまったからな…｣

貴｢その事やったら心配いりません。かるたは無事です。｣

阿｢な！！ なんやて！？ そ、そらどういう…｣

紅｢避難する際、枚本さんが持ち出してくれたんですよ｣

阿｢み、未来子君が… ホンマか！？ ホンマに皐月会のかるたは無事やったんか！？｣

ｶﾞｸｶﾞｸ

紅｢そ、損傷がないか確かめる為、博物館の職員が持っていかはりました…｣

貴｢会長、紅葉が酔ってしまいます。かるたは無事ですからご安心ください。｣

阿｢あ、ああ。皐月会のかるたを救ってくれた未来子君は…？｣

貴｢命に別状はないと聞いていますが、まだ診察中みたいで。｣

蘭｢…未来子ちゃん、遅いね｣

和｢応急処置するだけやって、お医者さんは言うてたけど…。未来子！ その腕、もしかして…｣

未｢うん…折れてしもてるみたいや。バチが当たったんやわ｣

和｢何言うてんの！｣

阿｢ありがとう、未来子君、君は皐月会の顔とも言うべきかるたを救ってくれた… 会を代表する者として、感謝の気持ちはとても言い尽くせんなぁ｣

未｢でも、皐月杯には出られへん…｣

阿｢君ほどの実力者が参加できひんのは、非常に残念なことやが… 今はケガを治すことに専念すべきやないかな｣

和｢そやで！ 大会は来年もあるんやろ？｣

未｢それやったらあかんねん。今度の皐月杯でええ成績上げんと、廃部になってまうんや…｣

和｢元気出し、未来子｣

未｢そやかて…｣

和｢確かに未来子とアタシ以外、まともにかるたできる部員おらんかったしな…｣

未｢そうや和葉！ あたしの代わりに改方学園代表として出て！！｣

和｢えぇ！？ そんなん急に言われても…｣

未｢いつも練習つきおうてくれてたやろ？ 和葉やったら体力はバッチリやし、反射神経もある、負けん気も強いし、どんな相手にも物怖じせん！ あと、妙な図々しさもあるやんか！｣

和｢何か褒められてる気ぃせんのやけど…｣

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