名探偵コナン から紅の恋歌

6話 ページ7

大｢和葉と服部って、まさか…｣

未｢遠山和葉と服部平次君です｣

大｢何やと！？ 平ちゃんたちが中に残っとんのか！？｣

紅｢Aー！！｣

ｷﾞｭｯ

貴｢紅葉！？｣

紅｢どれだけ心配したと思てんの！｣

貴｢ごめんね。｣

紅｢無事やったさかい許したる｣

貴｢ありがと。紅葉、言いにくいのだけど、まだ中に旦那さんと女の子が…｣

紅｢平次君が！？ 無事やったらええけど⋯｣


その頃、二人は…

ﾀｯﾀｯﾀ。

平｢(電話繋がるとええけど…)くそぉ、やっぱり繋がらへんのかぁ｣

和｢ｺﾞﾎｺﾞﾎｯ(煙吸い込んでしもうた…)｣

平｢行くんや、和葉｣

ｶﾞﾁｬ

平｢和葉！ こっちや！ ｸﾞｲｯ｣

先程まで和葉が立っていた床が崩れて火花が舞い上がる。
崩れ落ちた床の端が熱で溶けていく。

平｢この屋上…コンクリとちゃうんか…！？｣

屋上のところどころが熱で溶けて落下し、そこから黒煙が吹き上がった。
ビルから離れたところに停めたはしご車が放水を始めたが、屋上全体には届かない。


テレビ局の隣のビルにも避難指示が出て、各階のエレベーターホールでは大勢の人がエレベーターが来るのを待っていた。

コ｢ごめんなさい！ 通してー！！｣

廊下を駆け抜けて、テレビ局側の窓へ向かう。

コ｢くそっ！ 煙で何も見えねぇ！｣

位置的にテレビ局の屋上が見下ろせるはずだが、黒煙で何も見えない。
もうもうと立ち込める黒煙をくやしそうに見ながら、廊下を進む。


その間にも屋上の火は燃え上がり、平次と和葉に、刻一刻と迫っていた。

平(マズイな…。 オレ一人やと無理や…、 工藤…！！)


ズドオオォォォン！！

屋上で跳ね上がった鉄骨が傾いて落下し、さらに爆煙が上がった。

スタジオの屋上を望む窓から一直線に延びた廊下の先に、コナンはなっていた。廊下の中央にスケボーを置き、伸縮サスペンダーを右手に持っている。

コ｢一か八か、やるっきゃねぇ…｣

左レンズのレーダーを消すと、しゃがみ込んでキック力増強シューズのダイアルを回した。
そして立ち上がり、ベルトのバックルのボタンを押すと、サッカーボールが飛び出した。
最大パワーになったシューズで、思い切り蹴る！！
蹴り放ったボールは廊下を一直線に進み、コナンはすはやくスケボーに乗った。
ボールを追うように猛スピードで駆け抜ける。

コ｢行っけえぇぇ！！｣

ガシャアァァン！！

空を見上げると猛スピードでこちらへ何かが向かってくるのが見えた。

平｢やっとお出ましか！｣

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