名探偵コナン から紅の恋歌

21話 ページ22

コ｢それで今、名頃さんと名頃会はどうなってるの？｣

阿｢名頃会は会長不在のため解散し、名頃君本人もいまだ消息不明や｣

遠山｢まさか、今回の事件は、その名頃が皐月会への逆恨みから…｣

阿｢ﾌﾙﾌﾙ…、わかりません。ただ…当時、名頃会の解散を強硬に主張してたんは、殺された矢島君やったんです｣

大｢なんやて！？｣

阿｢我々皐月会としては、事を荒立てず、穏便に済ますつもりやったんですが、それも叶わず…｣

平｢ほんで、解散した名頃会のメンバーは？｣

阿｢もちろん、希望すれば皐月会に入れるようにしたよ。もっとも、入会したのは三人だけやったがね…｣

平｢ひょっとして、その三人っちゅうんは…｣

阿｢ああ。大岡君とA君と関根君や｣

遠山｢さっき爆破事件に巻き込まれた三人か！？｣

阿｢ええ。特に大岡君は名頃君のテクニックを徹底的に教え込まれて腕を上げていき、数ある得意札もまったく同じ。しかも歌に紅葉の情景を詠った六枚の札は『奥山に』以外は逃したことがない。まさに一番弟子と言える存在やった…｣

平｢なぜ名頃の得意札は歌に『紅葉』が含まれてるんや？｣

阿｢名頃君の名前が『鹿男』だからと聞いとるよ｣

コ｢鹿肉か…｣

阿｢そうや、鹿の肉『モミジ』と言うやろ。よく知っとったな｣

コ｢たまたまテレビで見たんだ…。それよりもA姉ちゃんは一番弟子じゃなかったの？｣

阿｢A君は名頃会に所属していたが、すべて独学なんや。名頃君が教えたわけじゃないねん。だから一番弟子ではないんよ。荒かるたという点では似ているががな。それでも名頃君は彼女をとても可愛がっとったな。｣

平｢独学やったんか。紅葉が得意札で『奥山に』を逃したことがあるんはなんでや？｣

阿｢A君の得意札が『奥山に』やからや。なんでかは知らんが、彼女はそれが得意札でね、逃したことがないんや｣

平｢なるほどな｣

大｢一番弟子と可愛がっとった彼女たちが皐月会に入って活躍してるちゅうんは、名頃にしたらおもしろないやろうなぁ｣

遠山｢そやけどなんで今になって…それにわざわざ爆破予告のメールを送ってきた理由は何や？｣

平｢五年もの間、沈黙しとった理由はまだわからんけど…あの予告メールは、自分が戻ってきたっちゅうことをアピールしてるんちゃうか？｣

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