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開店してから時間が過ぎるのはあっという間で、もうお昼時。
さすが日曜日、家族連れもチラホラ入っている。




「いらっしゃいま…せ、」



前日の検査でお医者さん公認の元、やっと杖を手放して久々の出勤。
カウンターでコーヒーを入れながら顔を上げると、向こう側にはJK達に群がられている安室さん。


“供給が足りない!”と怒られているのを不憫な目で眺めていると、そこに入店のベルが鳴った。



歓迎の言葉が尻窄みになったのは、しょうがない。





「Aお姉さん…」



「げ、」




いつもの調子でした挨拶の先に居たのは、小さな名探偵だった。


一瞬驚いた表情を見せるも、あっという間に鬼の血相。



まあそうだよね…すぐ見つかるよね。2階が家だもんね…。



と、内心バクバクになりながらも納得する。

一方的に連絡先消したって(消しては無い)、完全に断ち切れないのは分かってた。


特に頭のキレる人達だし、家、2階だし。




「いらっしゃいませ。テーブルいっぱいなので、カウンターでも大丈夫かな?」



「全然いいよ。カウンターならちゃんとお話できるしね」




中身が高校生で名探偵だろうと、目からも耳からも入ってくる情報は小学一年生だ。声に怒気を含んでも、そんなに怖くない。




「ご注文は?」




コナンくんの“お話できるしね”の部分は華麗にスルーして注文を取る。


私はもう、あなたたちに深く関わるつもりは無いから、ただのお友達として接するように笑いかけて、私たちの間に見えない線を引く。




「アイスコーヒー」



「…かしこまりました」




オレンジジュースではなくアイスコーヒーを頼むあたり、彼は今、工藤新一として私と話すつもりのようだ。


遠回しなそのメッセージを受けて、やっぱり少し怯んでしまう。

そんなに怖くないとか言ってすみませんでした。ちょっと怖いです。




ほんの少し前の自分の心の呟きを訂正してお詫びする。誰に対してってものでもないが。



「はい、アイスコーヒーです」



口は動かさずともちゃんと手は動かしていた。

仕込んでいた水出しアイスコーヒーをグラスに移して氷を入れて、彼の目の前にコースターを滑らせる。



「…」



コナンくんは、グラスを受け取っても見つめるばかりで一向に口をつけない。

少し俯いているせいか、光がメガネに反射してこちらから表情は読めない。






「…今、どこにいるの」


たっぷり間を置いて、紡がれた言葉は地を這うようだった。

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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません???? (8月19日 18時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね!続き楽しみにしてます!頑張って下さい!! (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました!続きが気になりすぎます!! (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです!感想もありがとうございます。これからの励みになります! (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します!ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます! (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お話仕掛け人 | 作成日時:2022年8月10日 17時

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