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そんな流れで安室さん宅に転がり込んで、5日が経過した。


私の気持ちとしては、少しでも早く自分の家を見つけるために翌日には不動産屋に行こうと予定を立てていたのだけれど、その計画は今日に至るまで、他でもない安室さんによって崩されていた。



次の日の朝起きると、安室さんは既に外出した後だった。
ダイニングのテーブルには書置きが残されていて、内容は“今日荷物が届くので家に居て欲しい”といった内容。


私の起床時間は午前10時頃で、だいぶゆっくりな朝になってしまったけれど、午後からでも不動産屋は開いているし、家の契約には問題が無さそうだと考えて居た、が、しかしだ。





結局その日荷物は届かなかったし、安室さんが帰ってきたのは夜の8時過ぎだった。


私も初めはソワソワしていたけれど、18時を過ぎた頃には不動産屋を諦めることにして安室さんの帰りを待つことにしていた。

とはいえ何もせず待っているのも居心地が悪いので、部屋の掃除をして、お風呂を沸かして、キッチンを借りてご飯を用意して…と、せめてできることをしようと考え動いていたら、ようやく帰宅して来たのは降谷さん顔の安室さん。



やっと帰ってきた!と玄関まで駆け寄って、腕に抱えていたジャケットと荷物を「おかえりなさい」の挨拶とともに奪い取る。それがちょうど、靴を脱ぐためにシューズボックスに片手を着いて身を屈ませている時だったからか、突然のことに大層驚いたらしい。


こっちに顔だけ向けて硬直する疲れきった表情の安室さん。



その体勢のまま、こちらが心配になるくらい動かなかった。



見つめられて、私も何事かと安室さんのジャケットと荷物を胸に抱えたまま固まってしまったので、男女二人が玄関で身動ぎひとつせず見つめ合うという奇怪な状況が出来上がった。



「あむろ、さん?」




先に耐えられなくなったのは私だった。



控えめに呼びかけると、なぜだか分からないけれどフッと口角をあげて、でも眉根を寄せて眉尻を下げる悲しそうな目元になる。




その複雑な表情の真意を私は読み解けなかったけれど、安室さんは次の瞬間にはあっという間に靴を脱いで佇まいを正した。


見え隠れしていた“降谷さん”はすっかり鳴りを潜めて、安室さんの雰囲気になった目の前の彼は「ただいま帰りました」と柔らかく挨拶したあと、「いい匂いがします…」とご飯の香りに釣られるようにしてフラフラ廊下を進んで行った。

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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません???? (8月19日 18時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね!続き楽しみにしてます!頑張って下さい!! (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました!続きが気になりすぎます!! (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです!感想もありがとうございます。これからの励みになります! (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します!ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます! (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お話仕掛け人 | 作成日時:2022年8月10日 17時

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