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「おい!乱暴するな!!」



足を払われてコンクリートの地面にうつ伏せにさせられる。上からのしかかるように押さえ付けられて息が詰まった。腕は後ろで固定されて、手首にささくれだったロープが巻き付けられる。皮膚にトゲが刺さるような感覚がして痛い。


視界の端で快斗くんが慌てて立ち上がろうとしているのが見えた。


せっかく助けようと思ってきたのに、結局私は何も出来ていないどころか、彼の足を引っ張っている。



「快斗くんは関係ないでしょ!!!彼は弟でもなんでもない!ただあの日知り合っただけの関係なのに!!」



未だに押さえつけられながらも必死に声を荒らげた。丁寧に耳を傾けてくれるとは思えないけれど、もはや今の私には訴えることしかできない。



「快斗くんを離して!!!そのあと私は、なんでも言うことを聞くから!!」


「そりゃあいい提案だな」


「よっぽど“快斗くん”が大切らしいな。そういうの…

余計傷つけたくなる」



がっと髪を掴まれて無理矢理顔を上げさせられ、耳元で気色の悪い言葉を囁かれた。



「おい!やめろ!!姉ちゃんから離れろよ!!!っゔぁ!!」


「快斗くん!!」



私の元へ寄ろうとした快斗くんを、また蹴り飛ばす男たち。
袋叩きとはこのことだ。

無抵抗な快斗くんを取り囲むようにして拳や脚を振り下ろすのを、私は見ている事しか出来ない。



「どっちかがどっちかを庇おうとする度に、その庇われた奴を傷つけることにしよう。これはお前が最初に弟くんを庇ったぶんだ」


「…悪魔め、」


「なんとでも言え。お前には苦しんで逝って欲しいんだよ」



サングラスの男がニタニタ笑いながら私の前にしゃがみこんだ。最低最悪の提案に唇が震えた。



「そして、」


「い"っ!!」


「これが、弟くんがお前を庇ったぶんだ」



頬骨の高い部分を拳で殴られて視界がぶれた。鈍い痛みが熱を持って頬全体に広がる。初めての痛みに奥歯をかみ締めて何とか耐えた。



「ねえちゃ、」


「やめ、」



まだ蹴られ続けている快斗くんが、そんな中でも殴られた私を心配して呼んでくる。いい加減暴力をやめて欲しくて、止めようと声を上げそうになるが、出かけた言葉を無理くり飲み込む。ここで止めようと発声しては、また快斗くんへの暴力が酷くなるだけだ。



自分の無力さに悔しくなって、なす術の無い状況に腹立たしくなって、私は目を瞑ってた。

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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません???? (8月19日 18時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね!続き楽しみにしてます!頑張って下さい!! (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました!続きが気になりすぎます!! (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです!感想もありがとうございます。これからの励みになります! (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します!ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます! (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お話仕掛け人 | 作成日時:2022年8月10日 17時

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