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あいにく、真っ向から押しかける勇気は無い。
指定された倉庫の入口の横でこっそりと中を伺うと、中は空虚で、複数の人の気配と動き回る音が響いていた。
「だ…ない、う」
なにか話している声が聞こえてきて、耳をすませる。
「何度も言わせるなって。古谷Aは来ねえよ」
「たく、口の減らねえガキだな」
快斗くんの声とがなるような男の声だ。
「姉貴がそんなに心配か？」
「お前らこそ、人の話を聞かねえやつだな。古谷Aは姉でもなんでもねえって」
「今更誤魔化すなって。どうせ来るからよ」
「聞こえねえのかよ…。本当の弟でもない俺の事をさらっても、人質としての価値なんかねえっつーの。耳ついてますかー？」
「ッ舐め腐りやがって！」
「うっ、」
縛られて地面に座らせられている快斗くんを男たちが囲んで立っていた。物怖じせずに言い返す彼はやっばり肝の座り方が尋常ではないけれど、それに腹を立てた男が快斗くんを蹴り飛ばした。
勢いのまま地面に倒れ伏す快斗くんを見て、私は反射的に倉庫に飛び込んでいた。
「快斗くん！！」
「！？あんた、なんでっ…！」
倒れた格好のままこちらを見たその視線と視線がぶつかる。私は真っ直ぐ彼の元へ走ると、スカートが汚れることも構わずに座り込んで彼の上体を起こす。
唇の横は血溜まりがあるし、頬は擦ったような赤い痣。目の横にも切り傷があって綺麗な顔がボロボロだ。
それを見て、申し訳なくなって、抱き起こした勢いのまま彼の頭を抱きしめた。怪我は酷いが、最悪の事態になっていなくて良かった。
彼の後頭部を撫でながら、ほっとため息が出る。
「快斗くん、大丈、」
「あんたなんで来たんだっ！！！」
「え、」
彼の肩と頭に回していた腕を解いて向き合った時、私の言葉を遮った快斗くん。驚きと怒りとが綯い交ぜになったような表情で大きな声を出すので呆気に取られてしまった。
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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません？？？？ (8月19日 18時) (
レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね！続き楽しみにしてます！頑張って下さい！！ (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました！続きが気になりすぎます！！ (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです！感想もありがとうございます。これからの励みになります！ (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します！ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます！ (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お話仕掛け人 | 作成日時：2022年8月10日 17時
