ふるや違いです！5【名探偵コナン】

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あの日あの時、確かに隣同士で座っていたけれど、それだけでは弟だなんて決め付けられないはず。

彼が自分を犠牲にしてでも私を守ろうと動いたからだろうか。



でもそれだけでは…





──────「ねえちゃんっ！」




「あ、あの時…」




人質にされて、私が男に最初の犠牲者として選ばれて銃口を向けられた時。あの瞬間を一コマごとに思い出していると、男が引き金を引くその直前、快斗くんが咄嗟に放った言葉が蘇った。


快斗くんは私を庇いながら確かに“姉ちゃん”と言った。それを聞いていた男たちが、言葉をそのまま受けとって勘違いしたのか。




やっぱり、全ては私の不注意が故に起きていた。



申し訳ない気持ちと必ず助けなければという気持ちがグルグル回る。

助けられとばかりでは終われない。彼が私を助けてくれたように、今度は私が、自分の犠牲をかけてでも彼を助けなければ。



「手前だけど、ここでいいかい」


「はい、ありがとうございました」



タクシーがゆっくり停車して、運転手さんが振り返る。廃倉庫なんて、あまりいい噂がないであろう場所。運転手さんは少し怯えた表情で、お会計を済ませるとあっという間に去って行った。



私はスマホをスカートのカバンに入れると、荒ぶる心臓を無視して指定された倉庫へと向かった。

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