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「お邪魔します…」


「何も無いですけど、どうぞ」



結局、どれだけ否定しても抵抗しても、気づけば一緒に住む方へと話は流れていて、あれやこれやしている間にお家へと到着。

外観としては、案外どこにでもあるようなマンション。
ただし、セキュリティは怖いくらい万全で、表札も部屋番号も無かった。エレベーターが5つも配置されていて、どうやらそのうちの一つしか、部屋のある階には止まらないらしい。

強盗が入れば、まず、出られないのだとか。とんだネズミ捕りだ。



通された部屋は3LDKのシンプルな室内。
とはいえ、一人暮らしにしては広すぎるくらいだと思う。


廊下を突き当たりの扉のその先はリビングダイニング。失礼なことは承知で落ち着きなく部屋を見渡しながら入ると、リビングとスライドドアで仕切られた左側に、和室の部屋が見えた。ベッドとテーブルとギターがあるだけ部屋。

シンプル、というか物が少ない。


安室さんがミニマリストなのかどうかは知らないけれど、ものは少ないと言えど、その部屋からは僅かに生活感が伺えた。

ここが、安室さんの生活スペース…。




「足は大丈夫ですか?本当に怪我はありませんね?どこか気持ち悪いとか…」



「ありません、大丈夫です!もう、さっきからそればっかりですね…」



「当然です」




走り出した移動中の車の中でも、会話の間に同じような事を繰り返し聞かれて聞かれて、安室さんって結構心配性なのかも、と感受する。

そういえばポアロでの彼は母味すら有るかも。



「Aさんはこっちの部屋を使ってください」



荷物を運び込みながら、和室のひとつ手前の扉が開けられる。中はベッドがあるだけの白基調の洋室。




「泊まる人なんて今まで居なかったですけど、手入れはしてありますから。それと、これを」



“泊まる人は居なかった”という言葉に何故か胸をなでおろした自分がいて驚くが、これは多分本能的なものだ。彼に家に泊めるほどの想い人が居ないことに、というよりもっと別の…例えば嫉妬に狂った彼の信者に狂い殺されるとかそういう懸念が無くなったという方への、そういう安堵だ…と思う。


1枚のメモ用紙を渡されて、それを受け取る。




「くれぐれも、他言無用でお願いします」


「はい」




国家機密と生活なんて、とんでもない事だと今更になって実感が湧いてきた。




「改めて、これからよろしくお願いしますね。Aさん」




「こちらこそ!お世話になります…」

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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません???? (8月19日 18時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね!続き楽しみにしてます!頑張って下さい!! (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました!続きが気になりすぎます!! (2023年5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです!感想もありがとうございます。これからの励みになります! (2023年5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します!ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます! (2023年4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お話仕掛け人 | 作成日時:2022年8月10日 17時

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