ふるや違いです！5【名探偵コナン】

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弟、とはどういうことだろうか。


私の弟は東北の実家に居るはずだ。こまめにやり取りをしている訳では無いけれど、こっちに来るなら連絡があるはずだし。それなのに、妙な胸騒ぎが止まない。

まさか誰かを人質にするなんて、考えが及ばなかった。



とにかく家に確認しなければとそのテーブルを離れようとした時、何も注文しなかったはずのその卓に、1枚の紙が置いてあることに気づいた。


店で使っている伝票よりも厚いその紙をそっと手に取って見ると、小さくどこかの住所が書かれていた。

ここより少し離れた場所だ。確か、廃倉庫が幾つも建っている場所だった気がする。不穏な事態が迫ってきている感覚に、刺すような耳鳴りが頭の中で鳴った。



ここに来いということだろう。



その紙を一旦ポッケにしまおうとした時、裏面の材質が紙と違って滑るような触感なことに気づいた。

入れかけた手を取り出してひっくり返す。




「！」




それは紙ではなく、写真だった。きっと、書かれた住所にある倉庫の中の様子だろう。

写真を持つ手が震え始める。
背中を嫌な汗がツーと落ちていく。

信じ難い光景に、呼吸すら忘れかけた。




「そ、んな…」




薄暗く廃退的なその場所を背景に写っているのは、手足を縛られて顔の所々を腫らした男の子。
意識が無いのか、目は閉じられているが痛みに表情を歪めている姿の…








「快斗くん…っ」




優しくキザな怪盗の本当の姿。学ランを着た黒羽快斗くんだった。

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