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「…って、私引越しするって安室さんに言いましたっけ?」



今世紀最大の“やっちまった顔”を晒しながら、さあどうしようかと解決のために思考を飛ばそうとした時、ふと浮かんだ疑問を運転席に乗り込んだ彼にぶつける。



「いいえ?カマかけてみました。そうかな、と思って」



悪びれる様子もなくカラッと言ってのけるので、もはや清々しいまである。あまりにも自然で違和感のない誘導尋問とその推理力に、あなた本当に探偵になれますよ…と私の中のリクルートスタッフが言っている。




「さすが、探偵を兼業するだけありますねぇ」



そう言うと、安室さんはハハッと乾いた笑いを零した。


まだエンジンはかけず、停まったままの車内で会話はつづく。



「Aさんは、本当に危なっかしいです。こんなに事件に巻き込まれる人、稀ですよ」



「私も望んでないんですけどね…。おかげでお家を逃しました…」



「うーん。それでしたら、僕の家に住むのはどうですか?」



「…」









それでしたら、



ぼくのいえにすむ(・・・・・・・・)








「…ん?いや、だめですよ。ダメじゃないですか。ダメに決まってますって」





私の周りには、本当に突拍子もないこと言い出す人しか居ないみたい。


なにを血迷ったのか、不意にかけられた言葉に“だめ”の三段活用を使って首を振った。





「僕はほとんど留守ですし、家も住まないと傷みますし。
それとも、一緒に住んでた彼にバレると問題ですか?」



「それは、無いですけど…でも」



「ならいいじゃないですか。…なにもしませんよ?」



「っそんなこと考えてません!」





意地悪く笑いかけられて、ついそっぽを向く。


私の知ってる降谷さんはもっとクールなイメージだったんだけど…あ、今は安室さんなのかな。なるほどなるほど。



すぐ関係ないことを考え始める頭を軽く左右に振る。



私、ここでこのお誘いを受けないと、今日野宿することになるんじゃ…。





「…良いんですか、本当に」



「僕はそうして貰えると嬉しいですけど?」




安室の姿も降谷の姿もバーボンであることも、それぞれの職業も…全てを知っているあなたになら、僕は鍵を渡せます。
自分で言うのもなんですけど、僕が人を信頼するなんて珍しいんですよ?






エンジンをかけながら説得するみたいに言葉をかけられて、それなら、と心が傾く。






「っでも、やっぱり……」

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あまね(プロフ) - いっそのこと一妻多夫制度設けません???? (8月19日 18時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
TAKE - 面白いですね!続き楽しみにしてます!頑張って下さい!! (7月2日 12時) (レス) @page48 id: 20d3cc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました!続きが気になりすぎます!! (5月10日 5時) (レス) @page48 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
お話仕掛け人(プロフ) - ココナッツさん» お話楽しんでいただけて嬉しいです!感想もありがとうございます。これからの励みになります! (5月4日 12時) (レス) id: 8b74387362 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 初コメ失礼します!ふるや違いで平凡とは言えない生活を送ることになった主人公ちゃん…物語の流れに引き込まれ一気読みしてきました笑 最高に大好きな物語です´`* これからも応援してます! (4月28日 12時) (レス) @page42 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お話仕掛け人 | 作成日時:2022年8月10日 17時

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